Apple Special Event October 23,2012 感想

AppleのSpecial Eventが2012年10月23日 am10:00からCalifornia Theatreで開催された。(日本時間では、10月24日のamから2:00から)ストリーミングビデオがAppleのHPでも視聴できたので、おいらもストリーミングビデオで視聴した。
以下感想を述べて行こうと思う。
このイベントの発表により、iMacを含めた全シリーズが2012年に刷新されたことになる。そして、新たにiPa miniがラインナップに追加された。
全般的に感じたのは、Appleはデバイスの薄さを追求してきたのだな、ということだ。それも、妥協せずに追求してきたということだ。
今回は意外と内容が盛りだくさんで、ちょっと駆け足でのプレゼンだったかな、という印象も受けた。

■  iMacの薄さには驚きの一言
今回予想外だったのは、iMacも驚きの薄さで発表されたことだ。
エッジ部の厚さは、5mmしかない。
下の写真を見ていただきたい。
この写真の角度は非常にうまい角度から撮られているので、一見すると全体がこの薄さになっているように見える。

実際は、背面部分中央に向かい厚みが増しているにだが、非常に美しいボディである。
価格も、$1299(日本の販売価格もは、108,800円)からなのでお手頃です。

最近の家電量販店のPC売り場はNotePC一色なので、このNew iMacの展示は人目を引くのではないでしょうか。
結構ヒットするかもしれませんね。
とにかく、Nwe iMacのボディは美しいの一言だ。

■ そしてiPad mini登場
最後の最後になってやっとiPad miniが登場。
登場の仕方はちょっとあっけなかたのですが、ついに出ましたか、といった感じです。
事前のウワサ情報の精度が高かったので、外見に対する驚きはありませんでした。

おいらが一番気にしていたのは、その重さと厚さです。
先日のブログで、欲しいiPad miniは、重さが300g以下で厚さが7.5mm以下と書いたのですが、実際のスペックは、重さが308gで厚さはなんと7.2mmです。
これは合格点ですし、脅威です。
このビデオをみて下さい。非常に軽く、ハンドリングの良さがうかがえます。片手でも簡単に扱っています。

実際にiPad miniを手にとったら、その軽さと薄さは驚きに迎えられるのではないでしょうか。
iPad miniの発表プレゼン中でちょっと残念だったのは、この軽さと薄さをもっと強調して欲しかったことです。

初代のiPadが発表された時、Jobs氏はその使用するシチュエーションを明確に示しました。
リビングのソファーに座り、ゆったりとした姿勢でデモをしていました。
iPadは、リビングでの使用(家の中での使用)を前提にしています。
今回のイベントのプレゼンの中では、この使用するシチュエーションが明確に示されていませんでした。
iPad miniの解像度はiPad2と同じなので、当然にことながらiPadのアプリはそのまま使用することができます。
またプレゼンの中では、他の7インチタブレットと比較し優位性を強調してもいましたが、iPad miniとしての使用するシチュエーションを示して欲しかったです。

iPad miniは、その軽さと薄さを武器に、新しい使用のシチュエーションを提供できる可能性を秘めています。
iPad miniiPadに比べ、断然フットワークがよさそうです。
セカンドバックにも入るくらいの大きさですし、重さも気にならないでしょう。
ズボンのポケットにはiPhoneを突っ込んで、セカンドバックにiPad miniをいれて気軽に外出や旅行に出かける姿が目に浮かびます。
それとiPhone5のデザリングを利用すれば、より活動範囲が広がるのではないでしょうか。

iPadは、そうはいきません。
iPad miniは、気軽にリビングから持ち出せます。
iPad miniは、iPadの良さを屋外へと連れ出してくれるのです。

iPad miniiPadのアプリをそのまま利用できるわけですが、iPad miniに適したアプリも、もっと登場するのではないでしょうか。
特においらが注目するのはAR関係のアプリです。
iPhoneの場合は、ARを利用してiPhoneの小さい画面から情報を得ることが主目的です。ARを体験するところまでは、画面サイズから言って無理があります。
iPadは、ARのアプリを利用するには重たすぎます。iPadをかざし続けるのは、ちょっとしんどいです。
iPad miniは軽いので、iPadminiをかざし続けても苦にならないでしょう。iPad miniは、ARを"体験"するには、もってこいのデバイスなのではないでしょうか。

■  iPad miniの価格
残念ながらというべきか、当然のことというべきか、iPad miniの価格は、破格値ではありませんでした。
$250前後であれば破格値でしたが、16GBのWiFiモデルで$329です。
日本では、28,800円です。まーこれも3万円以下なので安いといえば安いです。
GoogleAmazonは$200くらいからなので、この価格差は気になるところでしょう。
ただこれは、AppleのビジネスモデルがGoogleAmazonと異なっているため、いたしかたない面があります。
GoogleAmazonは、決して端末の販売で儲けようとはしていません。GoogelやAmazonは、端末が多く普及することを狙っているからです。端末から、GoogleのサイトやAmazonのサイトに優先的にユーザを導ければそれではよいのです。
Appleは違います。端末の販売できっちりと利益を確保する必要があります。そのため、端末のデザインや手にとった感触を非常に重要視するわけです。
仮に、iPadよりもiPad miniが爆発的に売れても、きっちりと利益を確保できる価格設定にしていることしょう。

それでは、iPad miniは爆発的に売れるのでしょか。
GoogleAmazonの7インチタブレットに対抗できるのでしょうか。
可能性は、あるといえます。
あらゆる場面で、ずーっと使えるにことを想定した場合、iPad miniを選択するのではないでしょうか。
GoogleAmazonの7インチタブレットは、確かに安いですが、あらゆる場面でずーっと使い続けることができるかといえば、そうとも限りません。
Appleタブレットであればアプリも豊富ですし、購入したアプリをiPadiPad miniと共有できるわけです。これだけでもお得感があります。
iPadを既に持っている家庭では、じゃあ子供にはiPad miniをプレゼントしよう、となるのではないでしょうか。
iPadはちょっと重いけど、iPad miniだったら軽いので、子供も持ち運びに不便を感じることがなくなり、きっと喜ぶことでしょう。
iPadの購入に躊躇していたひとでも、iPad miniの価格だったら購入を決断するのではないでしょうか。
iPadを持っているひとでも、iPad miniのフットワークのよさからiPad miniを追加購入するのではないでしょうか。
iPadを持っている人は、iPadの魅力を十分に理解していますが、その大きさと重さから、iPadをリビングから持ち出すのを躊躇しているはずです。
それも、iPad miniが解決してくれます。

こうみてくると、iPhone5(デザリング)+iPad miniのセット販売もいいかもしれませんね。このセット販売で、少し割り引いてくれたら嬉しいですね。
auさんかsoftbankさんで、この割引セット販売してくれないかな〜。

アップルのデザイナーたち、そしてデザインの時代

今年の夏は、アップルとサムスンの法廷劇が注目を浴びていた。
注目の的となっていたのは、その法廷劇の中で垣間見得る各社の、そしてとりわけアップルの開発に関連するプロセスだ。
アップルは、どのようにして人々を魅了し続ける製品を生み出しているのか。そのプロセスは一体どのよなものなのか。どのような魔法がアップルに存在するのかは、誰でも興味をもつところだ。

その法廷劇の話題で、注目を浴びたのが、アップルのデザイナーチームの構成である
記事ではこのように書かれている。
"Apple may be a huge company with tens of thousands of employees, but most of its products are initially conceived by a small group of just 15 or 16 designers sitting around a kitchen table."
アップルは数万人を擁する大企業だ。その大企業が生み出す製品のほとんどは、キッチンテーブルを囲んだ15、6名で構成される小さなデザインチームから生み出されたものものなのだ。

デザインに関するコアな部分が、少人数のチームで生み出されていることは、あのウォルター・アイザックソン氏のジョブズ伝にも窺い知れる。
そのデザイン及び製品戦略の中核をなすアイブの部屋は、厳密に入出が管理されておりごく限られた人物しか入出を許されない。
その部屋では、製品のデザインそして製品戦略が議論される。
キッチンテーブルには、アップルの製品がテーブルの上にずらりとならべられており、アップル製品の歴史が一望できる。そしてそこにはまだ市場に出ていない、ベールに包まれた製品のおぼろげな姿が、それぞれの人々の頭の中に描かれいる。
Jobsに、そしてIveの頭の中に描かれたプロダクトは、一体どのようなものであったのか。

Appleのデザイナーというとすぐ思い浮かぶのは、あのJonathan Ive氏である。上の記事に書かれている様に、デザイナーは、Ive氏のみではない。
それでは、どの様なデザイナーがいたのだろうか。
この記事では、Ive氏を含めて10名のデザイナーが紹介されている。
興味のある方は、ご覧下さい。
ただIve氏以外の名前は、残念ながらあまりおいらも聞いたことがない。
おいらが知っているのは、最近サムスンとの特許問題で取りざたされた法廷裁判で、参考人としてちょっと話題になった西堀晋氏くらいだ。
でも、どのデザイナーも情熱に燃えているんだろな。
情熱に勝るものはないからね。

さて、それでは何故にデザインが重要なのか。デザインは何をもたらしてくれるのか。
優れたデザイン、UIは高度な技術を隠蔽してくれるのである。
優れたデザイン、UIはユーザの操作の奥に隠れている高度な技術を隠蔽してくれるのである。
優れたデザインとUIのもとであれば、ユーザはデバイスを操作している過程で、その過程の中で動き回っている高度な技術や整備されたインフラを何ら意識することがないのである。
優れたデザインとUIは、デバイスを操作する上で直感的であり、操作者がやり遂げたい処理を完遂させることに何ならストレスを感じさせることがないのである。

優れたデザインとUIは、奥に潜む高度な技術を隠蔽してくれるのである。

iPadがこれほどまでに急速に普及した理由もそこにある。
このへんの感覚をうまく書いた記事がある。
ちょっと古い記事であるが、このへんの感覚をうまく表している一文があるので引用する。
”実はそのときですら、iPadというのは新しいものでありながらも「日常」のものであることこそが、皆に受け入れられる要因だったのだ。自然に触ってみることができた。使うためのレッスンなどは必要なかった。電源を入れればすぐに誰でも使うことができたのだ。”

iPadの普及を支えている要因がもうひとつある。
それはiPhoneの存在だ。
iPhoneの最大の功績は、KBとマウスをなくしたことにある。マルチタッチ入力の可能性を最大限に引き出し、KBとマウスをなくしたことにある。
おそらくJobs氏は、携帯電話を作りたかったわけではなく(当然のことながらモバイルの時代が到来することも見越していたであろうが)、このタッチ入力のUIを世の中に普及させたかったのだ。
日々人びとが使う携帯電話にタッチ入力のUIを取り込むことにより、タッチ入力のUIを一気に普及させてしまったのである。
このタッチ入力のUIの普及をベースに、iPadの成功があるのだ。
思うに、iPadは現在成功したデバイスであるが、世の中にでてくる順番が逆だったら(Apple内部ではiPadの原型の方が先に開発されている)、iPadが先に世の中にでて次にiPhoneが世の中にでていたら、これほどのiPadの成功はなかったかもしれない。

加速するポストPC

最近感じるのは、どうもポストPCの時代が加速しているということだ。

オフィスの絶滅機種をアンケートした結果が、Techcrunchの記事で紹介されている。
この記事はいろいろな意味で興味深いのであるが、ちょっと驚いたのは、"今のオフィスの主流は何か"という質問に対し、"タブレット"の回答が55%にもなることだ。
二人に一人が、今のオフィスはタブレットがなきゃね、と言っているのだ。
日本のオフィスでは、まだそれほどまでには実感できていないが、米国はかなり先を走っているようだ。
それと、今後5年で絶滅するオフィス用具や仕事の形態のアンケート結果がある。
このアンケート結果で、デスクトップコンピュータと回答した人が34%にも達する。
"絶滅"である。三人に一人が、5年後にはデスクトップコンピュータなんていらないと言っているのだ。

この記事の数日後、Gartnerから2012年3QのPCの出荷統計が発表された。

2012年3Qの出荷台数は、87.5百万台だ。
Windows8の出荷前ということもあるが、ついに前年同期比からマイナスの出荷台数となった。そのマイナスの数値も8.3%減と大きな数値である。

一方タブレットはどうかというと、こちらは9月に発表されたJ.PMorganのForecastのデータがある。

2012年3QのForecastは、31.8百万台である。
PCの出荷台数比で36%となる。
よく考えてほしい。iPadが発売されたのは2010年である。つい最近のことだ。
iPadの登場によりタブレットの市場が急拡大していることがわかる。

この数値をみると、Techcrunchで紹介されたアンケート結果もうなずけるものがある。
それも、5年後のオフィスではなくて、数年後のオフィスの姿と思えるのだ。

サイズ考 その2

どうやらiPadminiが発売されるのは、確からしい。
WSJによればAppleは年末に向けて1千万台の販売を予定しているようだ。
過去のおいらのブログでは、7インチサイズのiPadは製品化されない、と言い続けた。iPadminiが新しいユーザー体験をもたらしてくれれば別だ。

と言いつつも、気になるのはそのサイズだ。
とても気になったので、他の製品と比較してみました。
iPhone4SiPhone5、GalaxyNote、Nexus7、iPadmini、iPadの画面サイズを比較してみました。
こんな感じです。
画面サイズは、実物大比となっています。参考まで、HDTV(アスペクト比16:9)のコンテンツを表示させた場合の表示領域を、透明の黒色で表しています。
iPhone5は、HDTVアスペクトのコンテンツは、全画面表示となるので透明の黒色は表示にさせていません。

こう比較してみると、SmartPhoneの定義を片手で操作できる(片手持ちの状態で、親指で画面操作ができる)端末と定義するのであれば、SmartPhoneの画面のサイズは、iPhone5の画面サイズである4インチが限界と言えそうです。
最近よく電車の中で4インチよりも大きい"SmartPhone"をよく見かけますが、どうみても、それってタブレットだよね、と心の中で思ったりもします。

上の絵を見ていただければ分かるよにうに、画面 の代表的なサイズはこの5種類のパターンでカバーできそうです。(iPhone4Sの画面サイズのバリエーションは、iPhone5に含まれるとします。)
5種類というと何だかか少ないような気もしますが、5種類を一枚の絵にまとめてみると、結構バリエーションがあるな、といった印象を受けるのではないでしょうか。
文房具のノートにいろいろなサイズがあるように、結局は画面サイズもいろいろなサイズが出揃ってきたということですね。
逆に言えば、文房具のノートサイズが目的(ユーザが目的を達成するために快適といえるノートのサイズ)に応じてたくさんあるのと同じように、Mobile端末の画面サイズも目的に応じて多くの画面サイズが製品化された結果となっています。

さてそれでは、画面サイズごとにどの様な特徴があるのでしょうか。
iPhone5のサイズは、繰り返しになりますが、SmartPhoneとしてのMaxサイズとなります。片手持ちして親指で画面を操作できる画面サイズの限界の大きさとなります。
これ以上大きくなったら、それはSmartPhoneではありません。

iPad、これもタブレット端末としてのMaxサイズとなります。これ以上大きいと重くなるし、居間のソファーに座ってひざの上にそっとのせて楽しむことは困難な状況となります。
また、これ以上画面サイズが大きくなると、手におさめた状態で画面をみるというよりは、少し離した位置で画面を見る必要が生じます。
こうなるとタブレットではなく、TVの領域に入っていきます。

さて、それではiPhoneiPadの画面サイズの間に位置する、GalaxyNoteやNexus7やiPadminiはどのような位置付けとしてとらえればいいのでしょうか?
まずは、GalaxyNoteです。"Note"といったネーミングが非常にうまいです。この名の通り、これはSmartPhoneでもなければTabletでもない、"Note"という新しいカテゴリーサイズです。
このサイズは、手にもすっぽりと収まるし、画面サイズは黄金比率に近く、非常に安定感を生み出す画面サイズといえます。
また、上の絵をみてもわかるように、HDTVサイズのコンテンツの表示も意外とおさまりがいいです。
この"Note"サイズは、メジャーじゃないけれど独自の市場を形成できる可能性を秘めています。

つぎに、Nexus7の7インチサイズのタブレットですが、これがまた微妙な大きさです。
上の絵を見てもらえればわかるように、画面の解像度はGalaxyNoteと同じです。当然のことながら、画面が大きくなるので、画面の表示は粗くなります。ただ、iPad2の画面でも粗さはそれほど気にならないので、これはあまり気にしなくてもいいかもしれません。
サイズは、GalaxyNoteを少し大き目にしたサイズとなります。
片手でつかむサイズとしては、この大きさが限界です。(手の平に載せるのではなく、片手でつかめるサイズの限界)
7インチサイズの大きな問題点は、KB入力の操作性がどうかということです。横にした状態でもKB入力はちょっと辛いサイズです 。

さて、iPadminiはどうなのでしょうか。
iPadminiの画面がサイズは、ちょうどiPadを20%小さくした外形となります。このため、既存のiPad向けアプリは何ら支障なく動作 することになります。
KB入力も、横にした状態であれば、ぎりぎり両手での入力も可能そうです。
それでは、iPadminiは単に画面サイズが小さくなったiPadの廉価版としてのみの位置付けなのでしょうか。
iPadminiがヒットするかどうか、そしてiPadminiの存在感を増す一番のポイントは、価格設定にもありますが、それ以上に重要なのは、その重さにあるのはないでしょうか。
どの程度の重さで製品化されるのかが、重要なポイントになるのではないでしょうか。

重量の観点からすると、7インチサイズのタブレットでは最軽量となるMEDIAS TAB ULが、今時点ではベストの解になります。
MEDIASTAB UL並の重さが実現できれば、iPadにない魅力をiPadminiは持つことができるでしょう。
iPadにない、扱いの軽快さ、フットワークの良さを持つことができます。

それでは、iPadminiはどの程度の重さまでたどり着けるのか。
MEDIAS TAB ULの重さは、約249gです。
iPadの重さは、662gです。iPadminiの大きさは、面積比で、iPadの約66%です。ざっくりといえば、重さも66%程度になるのではないでしょうか。ちなみにGalaxyNoteと比較すると、GalaxyNoteの面積比はiPadの約30%です。iPadの重さの30%は199gとなりますが、GalaxyNoteの重さは約184gですので、概ね面積比はで算出した重さには妥当性があると考えられます。
iPadとの面積比からいうと、iPadminiは何もしなくても437g程度にはなります。

iPhone5iPhone4Sに比べ大きくなったにもかかわらず、20%の重量低減を実現しました。これを考えると437gをさらに20%低減できる可能性を秘めています。仮に20%低減できた場合、重さは350gとなります。
バッテリーの搭載を少し減らせば、重さ300gも夢ではありません。

MEDIAS TAB ULの重さにはあと50g多いですが、7.85インチサイズを考えたらかなり軽く感じるのではないでしょうか。

もう一つ厚さがあります。iPadの厚さは、9.4mmです。この厚さもiPhone5と同じように20%低減できたら、7.5mmとなります。これは、MEDIAS TAB ULの厚さ以下となります。
MEDIAS TAB ULは手にとった感じでは、かなり薄く感じました。
その薄さをiPadminiでも実現できたら、素晴らしいデバイスになります。

重さ300g以下、厚さ7.5mm以下であったら、またiPadとは別の市場を切り拓くことができるかもしれませんね。
さらに、価格が$249程度であったら日本円にして2万円程度ですから、超お得感があります。

iPadminiのことを書いていたら、だんだん欲しくなってきました。
Appleよ、iPadminiは重さ300g以下、厚さ7.5mm以下で発売してくれ〜!!
それが、おいらの欲しいiPadminiだ!!

iPhone5 画面サイズの真実

iPhone5が9月21日に日本でも発売された。
当日、早速近くのケーズデンキに行って実物をさわってみた。
最初の第一印象は、軽い、薄い、であった。
おいらは、まだiPhone4である。iPhone4の重さは137g。それと比べてiPhone5は112gと25gも軽い。重量は、20%程度軽くなった。
iPhone4は、従来の例えばドコモの携帯電話とかの重さに比べると重量感があったが、iPhone5はその重量感を解消してくれている。
やっと、日本の従来の携帯電話機並の重さになってくれたということだ。
iPhone4で電話をしていると、結構腕が疲れてしまうが、これで腕が疲れなくなるだろう。
SmartPhoneの重量としては、やはりiPhone4ぐらいの重さが限界で、100g前後以下がベストの重量と思われる。
つぎに薄さ。iPhone4は、9.3mmの厚さであるが、iPhone5は7.6mmと、こちらも20%程度薄くなっている。
iPhone4は、手に持つとどっしり感があるが、iPhone5を手に持った感じは、軽やかだ。
iPhone5は縦長に大きなサイズになるということだったので、実際に手に持った感じどうなるのだろうと、若干の懸念があったが、実際のiPhone5はこの懸念を吹き飛ばしてくれた。

さらに驚いたことがある。
ケーズデンキでは、iPhone5の隣にiPhone4Sを展示していたのだが、iPhone4Sの画面をじっと見てからiPhone5の画面に目をやっても、全く違和感がないのだ。縦長になっているという違和感が全くないのだ。
さらにびっくりしたのは、ホーム画面のアイコンの配列だ。
iPhone5が発表される前に思ったのは、アイコンの配列はどうなるんだろうということだった。縦長になるので、表示できるアイコンの数は増えるだろう。増えた場合、アイコンのサイズは小さくなってしまううのか、それとも窮屈な配列にしてしまうのか、はたまたアイコンの数が同じであった場合、iPadみたいにスカスカな表示になってしまうのかと思いをめぐらしていた。
実際のiPhone5は違った。ぴったり一列分増えている。そう、ちょうどぴったり一列分増えているのだ。
下にiPhone5iPhone4Sのホーム画面を並べてみる。

これって、偶然なのか?
iPhoneは当初3.5インチサイズの画面で登場した。
他社はこれに追従し、さらに差別化を図るため画面サイズを大きくしていった。
Appleは他社の画面サイズ大型化に対応するため、iPhone5で画面サイズを大きくした、ととらえるのが普通だ。
でも本当に、そうなのだろうか。
Appleは、最初から4インチサイズの画面サイズを実現したかったのではないだろうか。
ただ、iPhoneが登場した2007年に、この画面サイズを実現した場合、それは重くて分厚いiPhoneになっていただろう。
片手で持つにはしんどくて、片手で持てても、親指の動きで画面全体をカバーすることは困難であったろう。
片手で持てて、親指の動きで画面全体をカバーできる画面サイズとして、2007年当時は3.5インチのサイズが限界だったのではないか。
それでは、なぜAppleは4インチサイズの画面を実現したかったのか。

謎を解く鍵はアスペクト比にある。
iPhone5の画面は1136×640ピクセルなので、アスペクト比は、ちょうど16:9である。これは、HDTVアスペクト比と同じだ。
多くの映画のサイズ(ビスタサイズ)もこのアスペクト比に近い値だ。
流通している映像コンテンツを見る場合は、この16:9というアスペクト比が非常に都合がいいサイズなのである。
3.5インチサイズのiPhoneはどうかというと、960×640ピクセル(Retina版)なので、アスペクト比3:2になる。この3:2というアスペクト比は非常に中途半端なアスペクト比なのである。
昔のTVや昔の映画のスタンダードサイズであるアスペクト比4:3ともかけ離れているし、黄金比率(1.618:1)ともかけ離れているのだ。
ちなみに、iPadの画面サイズは、アスペクト比4:3なので映画のスタンダードサイズと同じである。GalaxyNoteは1280×800ピクセルなので、黄金比率にほぼ近い値だ。
AppleiPhone開発当初から4インチサイズのiPhoneを本当は製品化したかったのではないだろうか。
ただ、当時の技術ベースでは、4インチサイズを実現した場合、重く厚くなってしまうので製品化を断念したのではないだろうか。
もともと4インチサイズが目指す大きさであったと考えれば、あのアイコンがちょうど一列分増えて、ぴったりと表示される理由もうなずける。
3.5インチから4インチに大きくなったのではなくて、もともとのゴールが4インチだったのだ。
他社に追従して単に画面サイズを大きくしたのではなくて、Appleはもともとのゴールである4インチサイズをiPhone5として製品化したのである。

Appleはどこまで巨大化するのか

今週の週刊ダイヤモンドは、特大号と称して、Appleを特集している。
特集の題名は、"日本を呑み込むAppleの正体"だ。
なんとも刺激的な表題だろうか。

冒頭、Appleの売上高と純利益の推移がグラフで示されている。
Appleの凄さは一目瞭然で、iPhone発売以降売上高と最終利益が爆発的に伸びていることが分かる。iPhoneが発売された2007年の売り上げは、240億ドル。2011年には、1082億ドルだ。実に4倍の伸びだ。最終利益のほうはどうかというと、2007年は、35億ドル。2011年には260億ドルである。最終利益は、実に7倍以上の伸びをみせている。2011年の最終利益は、2007年の売り上げよりも大きいのだ。
この数字だけをみても、Appleがいかに巨大化したかがわかるだろう。

Appleがここまで巨大化できたのは、やはりMobileの大波にうまく乗れたからだろう。Jobsは、Mobileが大波になることを見極めていたということだ。
AppleGoogleはこのMobileの市場で敵対している様に見えるが、実は違う。
本誌でも述べられているが、AppleGoogleのMobile市場に対するビジネスモデルは異なる。
Appleは、iPhoneというハードウェアの売り上げで利益をあげている。iPhoneを魅力的な製品にするために、膨大なアプリの供給やiCloudによるサービスにより、使い勝手を向上させている。
一方、Googleは、広告収入に頼っている。AndroidというOSを供給しているが、ハードウェアそのものに主眼をおいているわけではない。
EricShmidtがGoogleのCEOだった頃、Appleは、(Jobsは)Googleとの敵対関係を演出していたにすぎないのだ。
共通の目的は、クラウド化の先にある来るべきMobileの時代に、主導権を握ることにあった。
PCの時代にMicrosoftに独占されていた主導権を、Mobileの時代に奪い取ることにあったのだ。
AppleGoogleは共に、Mobileの市場を活性化させ、双方で主導権をつかんだのだ。
Appleのみが、SmartPhoneの市場を独占していたら、Appleもこれほど急激な成長はなかったのではないだろうか。

Appleが巨大化できたのはそのデザイン力にもある。
本誌を読んで感じたのは、Appleはデザインを実現させるために、その製造技術を極めて行ったのだ。
ものづくりの為の製造技術ではなくて、デザインを実現させるための製造技術なのだ。
本誌では、「ユニボディ」の製造にまつわるエピソードが語られている。
ユニボディのMacBookProが2008年に登場した当時、一台の工作機械で一日に加工できるのは、せいぜい8台程度だった。普通であれば、この製品の製造はあまりに非効率的なため、ぽしゃるだろう。
Appleの思考方法はまったく逆だ。デザインを製造(量産化)するために、工作機械を1000台買えばいい、という発想になるのだ。
本誌では、慶応義塾大学大学院教授の山中氏のインタビュー記事を掲載している。インタビューの中で、次の言葉が印象的だ。"彼らはデザインと製造技術のイノベーションを同時にやっているのだ。"

Appleは、これからもまだ巨大化するのだろうか?
恐らく、Yesだ。
中国やインドを含むアジアの市場は、まだこれから伸びるだろう。
それに、iPadの勢いも衰えを見せていない。
それに、リビングというTVに独占されている市場も残されいるのだ。

夏野氏、吠える。

"なぜ大企業が突然潰れるのか"という刺激的な表題につられて購入してしまった。

巻末をみると、もともとは『Voice』に連載していた「"複雑系"IT戦略論」ベースに加筆修正したものだ。
このためか、若干論旨が細切れになってしまっているのが残念。
題材は、IT関係から教育、政治と多岐に渡っている。全編を通じ、現状の不満とそれを打破すべしという意気込みが伝わってくる。

さて、第三章では、"2020年・日本の携帯電話メーカは全滅!?"と題し、日本企業の行く末を案じている。
日本の携帯電話メーカが世界で戦えない理由を、"仕掛け作りができていない"とし、"企業に哲学があるか"と問うている。
ここの"仕掛け作りができていない"ということは重要で、逆にAppleはこの"仕掛け作りができている"としている。
それでは何故、日本の携帯電話メーカは仕掛けを構築できなかったのか?
これは実に不思議で、日本の携帯電話メーカは、携帯電話だけを作っていたわけではない。PCも製造しているし、通信設備も製造している。それに、かつては半導体も世界でトップランキングに名を連ねていた。
三拍子もそろっていてそ、何故仕掛け作りができなかったのだろうか。
おいらが思うに、キャリアの功罪がある。
本著の中でも語られているが、i-modeスマートフォンの先駆けだ。
とにかくi-modeは世界の先頭を突っ走っていた。
ちょっと古いが2009年のMorganStanleyのレポートをみるとそのことが良くわかる。

レポートの右側がi-modeが採用してきたサービスだ。左側がAppleや米国企業が取り込んできたサービスだ。i-modeがどれほど先進的だったが良くわかる。
それと、おサイフケータイ。2009年のレポートでは、日本のMobile Paid Serviceは、米国より5年先行しているとしている。

それなのに、何故日本の携帯電話メーカは今の状況に陥ってしまったのか。

まずは、これをみていただこう。
同じく2009年のNTTドコモのレポートがある。このレポートでは、NTTドコモの戦略が記載されており、NTTドコモAppleGoogleMicrosoftNokiaを比較している。

一目瞭然だろう。NTTドコモは、当然のことながら自社のネットワーク回線を持っている。それと比較して、海外メーカは自社のネットワークを持っていない。
自社のネットワークを持っていることがNTTの優位性なのだ。
この優位性は、日本の携帯電話メーカに対する優位性でもある。
それゆえ、NTTドコモの優位性は、日本の携帯電話メーカの優位性とはならないのだ。
反面、海外メーカは自社のネットワークを持っていないのでキャリアの拘束力がないとも言える。

i-modeは時代の先端を走っていたが、日本の携帯電話メーカが時代の先端を走っていたわけではないのだ。NTTドコモの力が余りにもありすぎたがために、日本の携帯電話メーカはNTTドコモに携帯電話というハードを単に供給する立場を取らざるを得なかったのだ。
仮に日本の携帯電話メーカが仕掛けを作ったとしても、それは先端を走るNTTドコモと競合するわけで、そうなったらNTTドコモに携帯電話を納入することが出来なくなるのは目に見えているし、仮に仕掛けを作っても通信ネットワークが利用できなければ、絵に描いた餅で終わってしまう。こうなるとどうにも勝ち目がない。

Appleはそれを十分に理解していて、キャリアに主導権を渡さなかった。キャリアに拘束されることを避けたのだ。

さて、本題に戻ろう。
つぎに"企業に哲学があるか"である。
この辺は、夏野氏もかなり日本の大手企業に対して批判的だ。社長になることがゴールになっており、社長になってそこから自社を発展させて行くビジョンが無いのだ。
そうなのである。日本の企業にはビジョナリーが少ないのだ。特に大手企業にビジョナリーがいない事は、不幸でもある。

本著の副題は、"生き残るための「複雑系思考法」"となっている。この"複雑系"の意味がピンとこない。"複雑系"というよりは、"オープンな"とした方が分かりやすいかもしれない。"オープン"であるがゆえに、情報の伝達が急速であり、逆に予想もされないところから影響を受けるのである。

"おわりに"の文章がよい。夏野氏が自分を語っている。SF好きで、ドラえもんも全巻読破し、自分の原点であるとも書いている。
こういう文章を読むと、夏野氏を身近に感じてしまいますね。