新型iPad発表

ついに3月7日に新型iPadが発表された。
モデル名は、iPad3ではなく、"The new iPad"である。

イベントの模様は、AppleのSpecial Eventと題して、AppleHPで公開されている。
イベントの内容と感想は以下の通りだ。

■ 印象的なTim Cook氏のプレゼンスタイル
全般的に感じたのは、Tim Cook氏のプレゼンが、印象的だったことだ。
聴衆に情熱的に語りかけるというより、モノローグ的に語りかけるスタイルだ。強く主張するのではなく、その主張を聴衆の心の内に問いかけるようなスタイルなのだ。
Steve Jobs氏のプレゼンスタイルとは全く異なるが、何故か聴き入ってしまう。
AppleのCEOは、やはりTim Cookで間違いがなかったと思わせてくれる。
Jobsが後継者に選んだのも頷ける。

■ The new iPadの価格は?
まずは、気になる価格であるが、事前の予想通り価格は据え置きだ。それに、iPad2は$100ディスカウントされた。
新型iPadは、16GB WiFiモデルで$499(42,800円)だ。安い!
それに、iPad2の価格は、$399(34,800円)だ。ちょう安い!!
このiPad2の価格も、実際に発表されると衝撃的だ。他のメーカのタブレット戦略にも大きく影響を与えるであろう。
AmazonのKindleFireは、7インチサイズながら$200をきる価格で成功したが、今後iPad2に対抗できるだろうか?

■ The new iPadの特徴
なんと言っても、Retina Displayだろう。
解像度は、2048×1536だ。HD TVの1920×1080を軽くカバーしてしまう。
実機を見てみないと分からないが、AppleHPiPad2と新型iPadの表示画面が擬似的に比較されており、iPad版Retin displayのすごさを垣間見ることができる。
iPad2でもそれ程粗さを感じないのであるが、新型iPadは、iPhone4の画面のクリアー度を9.7インチという大きな画面で体験できるのだ。
おいらも、iPhone3GからiPhone4に乗り換えた時に、その画面のクリアー度には感激した。その凄さは、実際の画面を見てみないと味わえないんだろな。3月16日に新型iPadが店頭に並ぶのが待ち遠しい。

Retina Displayの採用と同時に、CPUが強化された。
A5Xチップだ。Quad-core graphicsエンジン搭載となる。
イベントの中では、Desighned for Retina displayとして紹介された。パフォーマンスはiPad2の2倍だ。

3つのDemoがあったが、2つはGame、1つはDrawing系のアプリであった。Retina displayと強力なグラフィックスエンジンによって、GameとDrawing系のアプリがさらに充実してくるのではないでしょうか。

表示する機能の強化に加え、撮影する機能も強化された。
カメラはiSightと称し、5メガピクセル、5枚のレンズを採用。この辺はiPhone4Sと同じだ。(注:iPhone4Sは8メガピクセル)
ビデオもHD撮影が可能、手振れ機能も搭載された。

残念ながら、Siriはサポートされなかった。
その代わりと言ってはなんだが、Voice Dictationがサポートされる。
ソフトキーボードに、マイクロフォンのキーが追加される。Siriのマイクロフォンと同じだ。音声認識でKB入力が代替できる。

iLife系のアプリがアップデート
iLife系のアプリがアップデートされた。それと、iOS版のiPhotoが新たにリリースされた。

おいらは、GarageBandをインストールしていたので早速アプデートした。
GarageBand - Apple

GarageBandは使い込んでいるわけではなく、時たま気分転換に利用している。
今回のアップデートで、遂に弦楽器系がサポートされた。前々からバイオリンとかをGaregeBandで演奏してみたいと思っていたので、これは嬉しいの一言。
弦楽器系の演奏画面はこんな感じだ。



これで弦楽器の多重演奏ができてしまう。
演奏した結果はどうかというと、こんな感じです。(画像はでません。演奏音だけです。)

http://d.hatena.ne.jp/hiroLabs/files/My%20Song%204.m4a?d=y.flv

う〜ん、バイオリンの音色はいいですね。

それに何人か集まればジャムセッションができてしまいます。
これは、楽しそうです。


iOS版のiPhotoもリリースされました。
iPhoto - Apple

こちらもよさそうです。特に、UIにジェスチャー機能を多用しています。
画像の加工も種類が豊富ですし、機能も充実しています。iPhotoでここまでできてしまうと、画像加工系のアプリは、今後ちょっと工夫がいるかもしれませんね。
ちょっと長いけど、ビデオを紹介。


■ Mediaと遊ぶデバイスへと進化するiPad
新型iPadの発表をみて感じるのは、iPadが観る、撮る、加工、シェアするといった機能を、Retina displayを柱としたHWとそれを取り囲むアプリによって強化しているということだ。
Retina displayによって、これ以上にない表示機能を新型iPadは手に入れた。
アプリ操作に、より多くのマルチタッチ操作を取り入れて、メディアを直感的に加工する手段を推し進めた。

こうみてくると、iPadはメディアと戯れるデバイスへと進化して行くようだ。
ポストPCの時代になっても、TVがいまだ存在している様に、PCも当然なくならない。
iPadが、ポストPCの時代を築いたわけではない。クラウド化によりポストPCの時代が到来し、ポストPCの時代にふさわしいデバイスとして、iPadが産み落とされたのだ。