iPad3がもたらすこと。

iPad3の発表は、3月7日となった。
iPad3については、今までも多くのウワサが流れている。
ハードウェアのスペックに関しては、概ね予想された内容である。LCDは、RetinaDisplay。CPUはA6、またはそれ相当。バッテリー容量は増加。カメラのピクセル数は、増加。

と、いろいろとあるが、iPad3の注目すべきポイントは、三つある。
まずは価格、次にSiriのサポート、そしてRetinaDisplayの三点だ。

iPad3は、どんな価格設定がなされるのだろうか。
いまやiPadの対抗馬となったAmazonのKindleFireは、7インチサイズながら、$200をきる価格を設定して成功した。
Appleも当然のことながら、AmazonのKindleFireを意識しているはずだ。
おそらくiPadの3の価格は据え置きされ、iPad2を併売しかつディスカウントされる。
これは誰もが望んでいることであり、Appleはこのユーザの期待を裏切らない。ティム・クックCEOもこのことは十分認識しているはずだ。

次は、Siriのサポート。Siriは是非ともiPad3でサポートして欲しい。同時に、日本語対応もして欲しい。
Siriが活躍する場は、iPad3こそふさわしいのだ。
それは、このビデオを観てもわかる。これは、1987 年にAppleが作成したパーソナルアシスタントのコンセプトビデオだ。
これって、どうみてもiPadそのものだ。iPad3でSiriがサポートされれば、Siriはより日常生活に密着したパーソナルアシスタントとなるであろう。



さて、最後はRetinaDisplayだ。
RetinaDisplayの衝撃は、すでにiPhone4で経験済みだ。それが、今度は9.7インチサイズで登場するのだ。画面のクリアー度は、ユーザ体験としてかなり印象的なものとなるだろう。
おいらは、iPhone3GからiPhone4へ乗り換えた。この時の印象は、アプリがサクサク動く感動と、RetinaDisplayの画面のクリアー度だ。
iPhone4の知識としてAppleのHPにRetinaDisplayの凄さが書かれていたが、それ程気にはしていなかった。これは、実際手にとって観てみて体験しないと分からない。画面のクリアー度は、一度体験してしまうともとには戻れない。iPhone4の画面に慣れた後で、RetinaDisplayでないiPhone3Gの画面を見ると非常にチープに見えてしまうのだ。
iPad3の画面サイズで実現されたRetinaDisplayは、極めて衝撃的な体験となるだろう。

iPad3のRetinaDisplayは、Appleの思惑がどうであれ、二つの業界に大きなインパクトをを与えるのではないだろか。
TV業界と出版業界だ。
以前のブログにも書いたが、SONY最後のブラウン管TVであったVEGAがついにいかれ、3ヶ月ほどTVのない生活を過ごした。
TVの代わりに、iPadのアプリで配信されるニュースを観ていた。意外とTVが無くても不便を感じなかった。唯一、配信されるニュースの画面の粗さが気になった。RetinaDisplayになれば、この粗さも解決されるであろう。
こうなると、TVの存在意義が益々問われることになる。TVは、いま巷に溢れる4つのスクリーンのうちの一つに過ぎないことが、ますます強調されてしまうのだ。
iPad3は、TVの再定義を迫る存在となる。

出版業界、とりわけ雑誌系の出版業界は、iPad3に注目するだろう。
雑誌は、ビジュアルなインパクトが売り物だ。iPad3のRetinaDisplayは、ビジュアルな印刷物に匹敵する訴追性がある。
雑誌で表現されたビジュアルなインパクトを、iPad3でも実現できるのだ。
書店に行くと多くの雑誌が陳列されている。とりわけ女性雑誌の多さには驚かされる。様々な年代とライフスタイルに応じた、数多くの雑誌で溢れている。
女性雑誌とはどのようなものかと考えてみると、よりビジュアルな表現、情報源、ちょっとした付録、が特徴なのではないだろうか。
iPad3であれば、ビジュアル表現は雑誌の印刷技術に引けをとらない。情報源は、ネットに接続してしまえば無限だ。ちょっとした付録は、自宅に届けてあげればよい。自宅に届けてあげる際に、必要事項を記入してもらえば、ユーザ層の把握とユーザの意見を簡単に集めることができる。
今の雑誌の販売形態だと、単に売りっぱなしだ。それが、電子雑誌となれば、購入層の把握が容易にできるし、EmailやNotificationで直接コンタクトできるルートが確立できる。
雑誌の配信に、iBookAuthorを利用するのも手だ。
iBookAuthorであれば、テキストはもちろん、写真、オーディオ、ビデオが取り込み可能だ。紙の出版物と違って、より多くのメディア形態での表現が可能なのだ。
iPad3は、出版業界、とりわけ雑誌業界に変革をもたらすであろう。