iBooksAuthor は何を変えてしまうのか。

1月19日にAppleのメディアイベントが開催された。
場所は、NewYorkのグッゲンハイムミュージアムだ。開催場所がミュージアムと言うのがAppleらしい。
このイベントは、教育の改革を主眼としたものだ。
教育の改革は、Jobs氏が遣り残した三つの改革のうちの一つだ。
Jobs氏が目指した教育の改革とは、textbookの改革である。

iBooksのTextbooksは意外と好評なようだ。ダウンロード数も3日間で35万を越えた。
そうは言っても、キモはiBooksAuthorだ。おいらも先週末トライしてみた。
最初の印象は、それほど画期的なインターフェイスではないなということ。これってiWebの拡張版かとも思えた。
テンプレートはAppleらしくそれなりに準備されている。操作していても楽しい。
テンプレートが準備されており、目的にあったテンプレートを選択し、そこにテキストやオーディオや写真やムービーを埋め込むことができる。これは、iWebと全く同じだ。ウィンジェットが準備されている事も同じ。
ただプラスアルファの機能として、例えば複数枚の写真はフォルダーごといっ気に埋め込む事ができる。
それにKeyNoteや3D型式のメディアが簡単に埋め込める事だ。
具体的にiBboksAuthorで何ができるかは、こちらの記事をみてもらうと分かりやすい。

簡単に言うと、Web型式の表現とタッチインターフェイスの操作を実現した電子書籍といっていいだろう。
ちょっと待って、Web型式の表現であれば、ブログで事足りるだろう。
ブログと何が異なるのか。
それは、テキスト、オーディオ、写真、ムービーのリッチなレイアウト表現ができて、かつタッチインターフェイス機能を簡単に実現できるということだ。
それも、ツールはフリーだ。
ブログもテキスト、オーディオ、写真、ムービーを取り込む事はできるが、リッチなレイアウト表現を実現するには、それなりのスキルが必要だ。
iBooksAuthorを使えば、リッチなコンテンツを誰もが簡単に作れてしまうのだ。

今回のAppleの発表では、textbookをターゲットとして発表されたが、iBooksAuthorは、textbookだけの世界に留まるものではない。
確かに、textsbookを意識した練習問題のウィンドウを簡単に作れるウィンジェットも用意されている。
ただ、その表現形態はtextsbookに限られたものではない。
教科書ではなく、日記でもいいし、旅行記でもいい。
おそらく、多くのTextBooksがダウンロードされたのも、その表現形式の可能性を多くのに人が確かめたいがゆえの結果なのであろう。

iBooksAuthorで作成したコンテンツは、販売目的であれば、iBooksStoreの流通経路を利用することができる。但し、AppStoreと同じく、Appleのチェックが入る事になる。
そんなわずらわしさ避けたければ、フリーで流通させればいい。
フリーであれば、iBooksStoreを経由しなくても配布することが規約上できる。

iBooksAuthorで作成したコンテンツは、textbookというカテゴリに限られるわけではない。
テキスト、写真、オーディオ、ビデオといったメディアを包含したコンテンツを簡単に誰でもが作成できるのだ。
これは個人が作成するコンテンツのみではなく、新しい型式の雑誌やメーカの広告媒体にも利用できるだろう。

iBooksAuthorは、textbookのみならず、新しい表現形態のメディアを誕生させる可能性を感じるのだ。