Jobs    逝く。

いつか訪れる時と思いつつも、これほど近き時とは思わなかった。
Jobs氏の訃報を知ったのは、ちょうど会社の昼休みどきであった。
PCWatchを見たら、Jobs氏逝去のニュースが目に飛び込んだ。最初は誤報か、と思ったが、Appleのホームページには、正式な逝去のアナウンスが掲載されいた。
どうしようも無い気持ちでいっぱいになった。誤報であって欲しかった。
前日には、AppleのSpecialEventがあり、iPhone4SやSiriのVoiceNavigationが発表されたばかりだというのに。このAppleのSpecialEventを見届けるようにして逝った。おそらく、SpecialEventの発表の席で、壇上に立った幹部たちは、Jobs氏が危険な状況にあったことは分かっていたに違いない。
今から思うと、ジョークも抑え気味だった。

Jobs氏は、PCの時代の礎を築き、そしてポストPCの帳を開いた。
我々には、Jobs氏が思い描いポストPCの時代とは一体どんな時代なのかを考え、実現することが残されている。

Jobs氏の言葉は、出版物に多く残されているが、心の奥底に突き刺さる言葉がある。
それは、スタンフォード大学でのスピーチにも登場する。
毎日を人生の最後の日だと思い、今日やることが本当にやりたいことなのか自問する。もし、"ノー"という言葉が数日続けば、何かを変える必要がある、と自覚する。
この、毎日毎日を自問してスタートすることは、強靭な精神力がないとできない。言葉にすることは簡単かもしれない。でも、実行するには、自身に対して勇気のいることだ。
この言葉は、自分自身に突きつけられている様で、いい言葉なのだが、思わず避けてしまいたい、おいらには、矛盾に満ちた言葉なのだ。

Jobs氏は、人生を燃やし尽くして生きてきたのだろう。

Jobsよ、あなたは逝ってしまった。だが、Jobsよ、あなたは私の心に永遠に生き続けている。
Jobsよ、本当にありがとう。