Apple Special Event開催

Apple Special Eventが、2011年10月4日(日本時間の10月5日、午前2時)に開催された。
Eventのビデオはこちら
新CEOであるTimCook氏の、デビューともなるイベントである。
事前のウワサでは、いろいろと取りざたされたiPhone5であるが、残念ながら発表はなかった。
しかし、今回の発表内容は、非常に手堅い内容である。

今回発表された、iPhone4Sのポイントをイベントの中でフィル・シラー氏が5点あげている。
①A5チップ搭載。CPU性能は2倍、グラフィックス性能は7倍になった。イベントの中でも、ゲームのデモがあるが、クールである。
②ワイヤレスシステム。データスピードは2倍になった。
それと、World Phoneとしての位置づけ。GSM方式とCDMA方式に対応した。これで、日本もソフトバンクのみの販売ではなく、KDDI(au)からも販売されることとなった。
(このWorld Phoneとしての位置づけは重要だ。クック氏も、AppleはSmart PhoneではNo.1であるが、携帯電話でみると5%のシェアしかない。Appleには、残りの95%の市場が目の前に広がっていると、強く訴えています。この残りの95%の市場を制覇するといった、強い意志の現れなのです。)
③カメラ。これが意外といいかもしれない。8Mピクセルになった。明るさは73%アップ。レンズを5枚にしてシャープさを30%アップ。それに、顔認識機能も付いた。
④ビデオ。1080p HDビデオレコードが可能。ジャイロセンサーを利用して、手ぶれもも補正してくれる。
⑤Airplay。AirplayでMirroringが可能。iPhone4Sの画面をAirplay対応のTVに映し出し、大画面でゲームも楽しめる。

iPhone4Sは、10月14日に発売される。iOS5へのアップデートは、10月12日だ。10月12日が待ち遠しい。

さて、今回のイベントで最大の注目は、Siriの技術を使用した、音声認識によるパーソナルアシスタント機能だ。まだベータ版とのことであるが、その内容には驚かされる。どんなふうに利用されるのか、こちらのビデオが分かりやすい。

パーソナルアシスタントというにふさわしい機能だ。どうです。わくわくしますね。ただ、現時点では、英語とフランス語とドイツ語でのサポートとなる。

イベントのデモでは、 今日の天気はどう? 一時間ごとの予報は?今日は、レインコートがいるかな?と三通りの質問をしても、Siriは一時間ごとの天気情報をちゃんと表示してくれます。
そうなのです。言葉の意味を理解しているのです。
言葉の意味を理解し、自分が何をすればいいのかも理解しています。
デモでは、明日の朝6時に起こしてね。と言うと、SiriはiPhoneのタイマーアラームを朝6時にセットしてくれます。
とにかく凄いの一言です。

これって、人間とコンピュータのコミュニケーションの始まりなのです。コンピュータは、当然のことながら、クラウド側にある膨大なデータも含みます。
それも、高額な専用のコンピュータではなく、いつも身じかにあるiPhoneで実現できてしまうのです。これって、画期的なことです。
今回のイベントは、期待の高かったiPhone5が登場しなかったことにより、ストックマーケットでは、Appleの株も下落しました。
多くの人も、ちょっと期待はずれと思うかもしれません。でも数年後になって振り返ってみると、今回のイベントで紹介されたSiriの音声認識(音声認識というより、言語認識といったほうがいいかもしれません。)が、極めてエポックメイキングであったこと気づくでしょう。

今回のイベントは、華やかさはないものの、iPhoneをWorld Phoneとして明確に宣言したこと、Siriというパーソナルアシスタント機能をサポートしたこと、この2点において非常に重要なイベントなのである。