今後のSmartPhoneシェア推移

GartnerからMobile Communication Deviceのシェア予測が発表された。
記事から抜粋した表を掲載しておく。

記事ではAndroidの躍進とMicrosoftの巻き返しといったニュアンスで書かれているが、果たしてそのようなことになるのか。
Gartnerが発表した数値をもとに、グラフ化してみた。

まず、シェアの推移であるが、グラフ1を見てください。
下から、SymbianMicrosoftAndroidiOS、RIM、Otherでプロットしている。
これを見て分かるのは、Otherはほぼシェアをキープ、RIMは徐々に徐々にシェアを低下、iOSはほぼシェアをキープ、Androidが爆発的にシャアを拡大、Microsoftは2012年以降シェアの巻き返しに成功、Symbianは劇的にシェアを低下、となる。
この予測におけるもうひとつのポイントは、AndroidMicrosoftSymbianを合算したシェア(約65%から70%のシェア)は、ほぼ横ばいだ。Androidの爆発的なシェア拡大は、このMicrosoftSymbianのシェアを奪って成立していることがわかる。
記事(=Gartnerの予測)ではMicrosoftが2015年には第2位のシェアになると書いているが、これはAndroidにどれだけ対抗出来るかにかかっている。このシェアの奪い合いの図式からすると、Microsoftも意外と苦戦を強いられるだろう。

次にグラフ2であるが、これは販売台数の推移予測である。まず驚かされるには、SmartPhoneの爆発的な伸びだ。2015年には2011年の倍以上の11億台となる。この数値はとにかく凄いの一言だ。2011年のMobile Communication Deviceのシェアを単純にキープしていても、販売台数は倍増するわけだ。
RIMは徐々に徐々にシェアを低下させるが、2015年の販売台数は、2011年に比べ、ほぼ倍増する。Androidの販売台数は約3倍となるが、おそらく多くのメーカが参入しているので、メーカ1社あたりの販売台数はかなり分散化していると予想される。それを考えるとRIMは意外と検討していることが分かる。

さて、それではiOSはどうなのか。このGartnerの発表をAppleはどのように思っているのだろうか。
iOSって言ってるけど、iPadはこの発表の数値にカウントされていない。Appleの戦略は、iPhoneiPadを分離させていない。連動させている。それにiOS的UIをOS Xにもフィードバックさせようとしているのだ。(個人的には、夏に発表されるLionに、大いに期待している。)
SmartPhoneに搭載されているOSのみでトレンドを分析してしまうと、トレンドの本当の姿をつかむことはできない。
ポストPCの時代に向けて、AppleはDeskTopPC、NotePC、Tablet、SmartPhoneそしてTVにも同一のUIをもつOSでカバーしようとしているからだ。
おそらく、AppleはGartnerの発表した予測など気にしていないだろう。何故なら、Appleは予測を裏切る製品を市場に投入し、新たな市場を創りだし成功してきたからだ。