『メディア論』を読む(0)

マクルーハン”という名前や『メディアはメーッセージである』といったフレーズを聞いたことが、誰しもあるのではないだろうか。おいらもそのうちの一人だ。
マクルーハンってすごいな、と思ったのは、ニコラス・G・カーの”ネット・バカ(インターネットがわたしたちの脳にしていること)”のプロローグにマクルーハンの言葉が引用されており、その内容が非常に印象に残った。
マクルーハンの『メディア論』を購入したのはだいぶ前である。たまたま、近くの書店の棚にあった。上に書いたように、マクルーハンの印象が記憶の奥底に残っていた。若干高価な本であったが、結局は思い切って購入してしまった。
本来は、対象の本を完読したあとに、本の内容を紹介するのがおいらのスタイルなのであるが、『メディア論』に関しては、これはとうていできない、と観念した。内容があまりにも濃いのだ。かなり本腰を入れて読まないと内容に追いつけないな、と思いしばらく読み進めるのを放置しておいたのだが、ここにきて、これは読み進める必要があると心底思い、読むことを再開することにした。どうも今年(2011年)は、マクルーハンの生誕100年とのことだ。いい機会かもしれない。
ただ、『メディア論』は、まだ完読していない。でも、著作の内容については語らざるを得ない。
ちょっとスタイルを変えて、現在進行形の形式で、本の内容を紹介していくことにする。

メディア論―人間の拡張の諸相

メディア論―人間の拡張の諸相


まずは、目次から。

ペーパーバック版への序文
第一部
はしがき
1 メディアはメッセージである
2 熱いメッディアと冷たいメディア
3 過熱されたメディアの逆転
4 メカ好き 感覚麻痺を起こしたナルキッソス
5 雑種のエネルギー 危険な関係
7 挑戦と崩壊 創造性の報復
第二部
8 話されることば 悪の華
9 書かれたことば 耳には目を
10道路と紙のルート
11数 群衆のプロフィール
12衣服 皮膚の拡張
13住宅 新しい概観と新しい展望
14貨幣 貧乏人のクレジット・カード
15時計 時のかおり
16印刷 それをどう捉えるか
17漫画 『マッド』ーーーテレビへの気違いじめいた控えの間
18印刷さてたことば ナショナリズムの設計主
19車輪、自転車、飛行機
20写真 壁のない売春宿
21新聞 ニュース漏洩による政治
22自動車 機械の花嫁
23広告 お隣に負けずに大騒ぎ
24ゲーム 人間の拡張
25電信 社会のホルモン
26タイプライター 鉄のきまぐれの時代へ
27電話 咆哮する金管か、チリンと鳴る象徴か
28蓄音機 国民の肺を縮ませた玩具
29映画 リールの世界
30ラジオ 部族の太鼓
31テレビ 臆病な巨人
32兵器 図象の戦い
33オートメーション 生き方の学習
 訳者あとがき
 メディア研究者のための参考文献


目次を書きだしてみたが、この目次からして広範な内容について言及していることがわかる。
序文を読んで感じたのは、マクルーハンとは、ものの本質を端的に切り取ることに長けていたということだ。
この辺は、次回にゆずる。今回は第一回目としたいところだが、目次だけの列挙に終わってしまったので、第0回目として、スタートする。
こちらにマクルーハンのビデオが多数掲載されています。興味のある方はどうぞ。