MobileMeの刷新が次の決め手

2月に入って、iPhone nanoiPhone4の小型サイズ)やiPad3(iPad2はまだ発表もされていない。)のウワサ報道が多くなってきているが、おいらが一番気になるのは、MobileMeの動向である。
まずは最近の、これらにまつわるニュースを整理しておこう。
iPhone nanoは最近のAndroid端末の躍進に対し、安価なiPhone投入によって対抗するのではないかといった憶測によるものだ。iPhoneのサイズを小型化して安価にするといった発想である。
ただこれは、現実的ではないようだ。サイズを小さくしたからといって劇的に安価になるかというと決してそうではない。NYTimesの記事が、非常に現実的な解を示している。
確かに小さくしたからといって機能を落とすこともできず、それに一番はバッテリーサイズの問題がある。小さくした場合、当然バッテリーサイズも小さくする必要があり、場合によっては半分程度の大きさしか搭載できない可能もある。バッテリーの消費が今のiPhone4の半分になったデバイスは誰も購入しないであろう。それよりも、搭載するFlashメモリの容量を落とした方が効果があるかもしれない。
次にiPadであるが、おいらが期待していたRetina Displayの搭載はiPad2ではなく次のiPad3になる可能性が高い。やはり9.7インチサイズのRetina Displayは製造的に歩留まりが悪く、数量の確保とコストが高くなることから今回は見送られるようだ。
ただ、iPad2では、視野角アップと輝度を向上させLCDパネルが採用されるようだ。いずれにしろ、何らかの形で表示機能は向上するだろう。(最近よく感じるのだが、iPhoen4の画面に見慣れてくると、普通のデスクトップ画面もボケているようで見づらいのだ。)

さて、MobileMeであるが、Cult of Macの記事によれば次のような機能が追加される(かもしれない)。

・ビデオストリーミング機能(Ustreamみたいな)
・位置情報を利用したチェック機能(Fouraquareみないな)
ジオタグシステム(コードネームは”Tokens"。FacebookPlacesみたいな)

今までのMobileMeの機能は、ファイル保存、写真の保存、E-mail、アドレス管理、スケジュール管理しかできなかった。
上の記事の通りとなれば、MobileMeは、UstreamやFoursqureやFacebookの機能をミックスしたようになり、今までのMobileMeとは全く異なる姿へと変貌する。
おそらく、上の3つ以外の機能も当然追加されるであろう。
ちょっと気になるのは、Appleが昨年買収した2つの会社だ。Appleは、昨年SiriとPolar Roseを買収した。
Siriは”Siri Assistant”というPersonal Assistantなアプリをリリースしている。このアプリのビデオはこちら。
音声入力により、本人が知りたいことややりたいことの情報提供をサービスするアプリだ。(このアプリはUSのみのリリースであった。)
Polar Roseは、Face Taggingというサービスをしている。どんなサービスかというと、顔認識を利用し、本人のプロフィール情報をAR的に表示するサービスだ。デモビデオはちら。
この2つの会社の技術をMobileMeに生かさない手はない。
Siriの音声認識を利用したパーソナルアシストをMbileMeに取り込めば、上に記載した機能もUIがよくなり便利に使えるし、サービスした内容をMobileMeにログしておくことによって、さらにパーソナルなアシスト機能がアップする。
Polar Roseの提供する顔認識を利用したAR機能は、新しい形のソーシャルメディアとなりえる。ARを利用することによって、ソーシャルメディアが社会進出を果たすことができる。目の前にいる人物とソーシャルメディアが直結するのだ。
どうでしょうか。こうなれば、いままであまり注目されていなかったMobileMeが、一気に主役となることができます。
おそらくMobileMeの刷新が成功するかどうかで、今後のAppleの成長も左右されるでしょう。
MobileMeの成功が、AppleWorldの完成へと導くのです。AppleWorldは下の図のようになるはずです。下の図の”Cloud”という文字を”MobileMe”に置き換えればいいのです。Appleが今後どのよな姿に変貌していくのか、また楽しくなってきました。