ネットをわれらの手に!

おいらは、いつも帰宅の電車の中で、その日のIT関係の記事をチェックしている。今日のこの記事には驚いた。隣国チェニジアのジャスミン革命から波及したエジプトの混乱は、多くのニュースで報道されているのでご存じの方も多いだろう。デモの呼びかけが、Facebookを通して実行されたこともニュースで報道された。エジプト政府は、インターネットの威力におののき、ついに自国のインターネットを遮断してしまった。それもほぼ完全にである。おいらが電車の中で確認したのは、次の記事だ。
インターネットが“消えた” グラフで見るエジプトのネット遮断
この記事から、インターネットの遮断が一目で分かる図があるので引用する。これは全くひどい。遮断の状況がよくわかる。1月28日を境に、ぴたりとトラフィック数が無くなっている。

インターネットの威力は絶大なものがあるが、意外と脆弱でもある。記事によれば、エジプトの4大プロバイダーがアクセス遮断に踏み切ったようである。政府の意向により、いとも簡単にインターネットの世界が閉ざされてしまうのだ。
これはまずい、と思い思わずTwitterで”政治的に遮断されない方法はないものか。”とつぶやいてしまった。
そんな思いの中、やはり同じようなことを考える方は、世界中にいるようで、次のTechcrunchの記事に出会った。
インターネットを政府が遮断したときの代替手段を考えるフォーラムOPENMESH
まさしく、ネットをわれらの手に! である。

インターネットの本質は、自由な表現をすべての人ができることにある。この”自由”は、インターネットに流通させる情報(表現)に制約がないことによる。インターネットの自由は、規制する法律が整備される前に、爆破的に普及してしまったことにある。この”自由”は、いまだかつてない”自由”だ。この”自由”を奪い去られることは、人類にとって最大の損失なのだ。
この損失は、何がなんでも回避しなけらばならない。たとえそれが政府による強行手段によるものでも。
Techcrunchの記事にあるような、フォーラムを立ち上げて議論するのもいいであろう。
エジプトでは具体的には、次の記事にあるように、固定電話やファックスやアマチュア無線を利用して、インターネットの遮断に対抗している。
ネット遮断のエジプト、地上通信線やアマチュア無線で情報発信

インターネットの代替手段を整備するのもいいが、もっと先のことを見越した場合、ネットユーザに呼びかけ、通信インフラのファンドを立ち上げて、ユーザの手でインターネットのインフラ整備をしてしまうのはどうだろうか。
まず、そもそも今の通信インフラは、ごくわずかのキャリアに牛耳られている。ユーザは、その金額が妥当なのかどうかも分からないまま、高額の通信料を毎月払い続けている。反面、キャリアは設備投資があるものの、多額の経常利益をあげている。はっきり言って、儲けすぎだ。通信はいまや水道や電気と同じなのだ。もっと安くしてくれ。
むっ、ちょっと脇道にそれすぎたので、本題に戻ります。
このファンドを立ち上げるのはいいアイデアだと思ったのだが、どうだろう。
Facebookだけでユーザが、全世界で6億人もいる。仮に、全員が千円の出資をしたとして、なんと6000億円もの資金が調達できる。
この資金をもとにインターネット衛星を打ち上げるのだ。一基300億円として、10基打ち上げても3000億円だ。10基あれば、全世界とはいわず、中東、アフリカ地区は簡単にカバーできるだろう。インフラの整備されていない地域をカバーして、その地域から使用料を徴収すればいい。(注:但し地上にはアンテナがいる。アンテナを安価にする必要がある。量産効果と中国生産に期待したいところだ。)
とまあここまで書いて、あまりにも荒唐無稽(技術的な面も十分に検討する必要もあるし)かと思いつつも、もしかしたら可能かもしれない、との思いもある。
ネットユーザの力を集結して、自分たちでインフラを整備してしまうのも、一つの手なのではないだろうか。
ネットユーザの力は侮れない。Facebookのユーザは6億人である。国家に例えれば、中国、インドに次ぎ3番目の人口なのだ。米国の2倍、日本の5倍の人口なのである。Facebookを仮想的な国家として例えた場合、その巨大さがわかる。この力が集結したら、想像を絶する事態も実現できてしまうのではないだろうか。