スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン
”スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン”を読み終えた。
- 作者: カーマイン・ガロ,外村仁解説,井口耕二
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2010/07/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ただ一読して即プレゼンがうまくなる訳ではありません。本文にも繰り返し書かれていますが、ジョブズでさえプレゼンの練習に多くの時間を割いているのです。練習も重要なのです。
本書を読んで思ったのは、プレゼンの極意は俳優のように振舞うことでしょうか。プレゼンという作品があり、それを公開する舞台にいる俳優のように振舞うことでしょうか。プレゼンの内容が台本です。セリフは台本を見なくても、すらすらとでてこなければなりません。そしてこの作品が何を伝えたいのかを十分に理解し、それが観客に伝わるよう体現しなければなりません。そして、観客に感動を与えるのです。
また、本書には、プレゼンのノウハウ以外にも、気になる言葉が散りばめられており、楽しく読めました。
気になる言葉を抜き出してみます。
■ ”聞き手に伝えるのはストーリーである。スライドではない。”
おいらもパワポで資料を作ることが多いが、数枚の資料でも、なるべくストーリーがあるように気を付けている。(といっても、それがうまく伝わるよにするにはなかなか難しいですが。余分な情報を詰め込んでしまうケースが多い。あれもこれも伝えたいといった気持ちが優ってしまい、情報を詰め込み過ぎてしまうのだ。)ストーリがないと、相手に何を伝えたいかが分かりずらくなってしまうのだ。
■ ”プレゼンテーションには必ず実例を紹介しよう。”
これは非常に重要ですね。実例は、相手に信憑性を与えます。デモも有効です。実例や目の前に実物があることは、相手に強く印象を残します。
■ ”ユーザの体験からスタートして技術へさかのぼらなければならない。逆ではいけない。ースティーブ・ジョブズ(1997年5月25日、WWDCにて)”
ジョブズの言葉です。常にユーザエクスペリエンスを大切にする、ジョブズらしい言葉です。
■ ”「情熱がない人は元気がない。元気がない人は何も手に入らない」ードナルド・トランプの言葉である”
トランプさんもいいこと言いますね。情熱(Passion)は何ものにも勝ります。情熱を持ち続ければ、高い壁も越えることができます。お金がなくても情熱は持てます。
■ ”モノが顧客の暮らしをどう改善するのか”
この視点は大事です。プレゼンを聴く人達は、”モノ”を知りたいのではなくて、”モノ”によって、それを手にしたら、暮らしがどう変わるかを知りたいのです。
■ ”スティーブ・ジョブズがしていることはプレゼンテーションではない。実は、体験の提供なのだ。”
そうか、”体験談”を聴いているから面白いんだ。
■ ”文脈のない数字に力はないのだ。”
示した数値が、具体的に何をもたらすのかを示さないと意味が無い。
■ ”言ったことなど忘れられてしまう。したことも忘れられてしまう。でも、感じさせたことが忘れられることはない。ーマヤ・アンジュロウ”
感情にうったえること。驚きや感動をもたらすこと。事務用の大判の茶封筒からMacBookAirを取り出すプレゼンが好例である。
■ ”「スティーブ・ジョブズという人は自分にも他人にも容赦なく最高を求めます。これが、彼がアップルに与えている大事な影響のひとつなのだと私は思います」”
アップルの元社員であった、エバンジェリスト氏の言葉だ。社員の言葉なので、その重みがずっしりと伝わってきます。アップルには、ジョブズの流儀が深く浸透しているのでしょう。
■ ”「生まれながらの達人」など存在しない。スティーブ・ジョブズが傑出したプレゼンターなのは努力したからだ。”
本文では、一万時間の法則が書かれている。とにかく、何かを習得するには一万時間が必要というものだ。一日3時間、一週間で20時間、これを10年続ければ一万時間になる。あのビートルズだって練習とライブを繰り返し、10年後に最高傑作といわれたサージェント・ペッパー・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドが生み出されたのである。ジョブズも同じだ。
一万時間なんて気の遠くなるような時間だ、と思われるかも知れないが、10年間努力すれば極みに達することができると考えれば、結構短い時間でもある。
尚、スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションは、iTunesでも公開されています。”Apple Kyenotes”と題して15番組が公開されています。