BloombergのSteve Jobsに関するビデオ

BloonbergのGame Changersという番組でSteve Jobsが取り上げられています。ビデオはこちらで観れます。48分とかなり長いビデオです。
Bloomberg Game Changers: Steve Jobs
Appleの草創期から現在までが、うまくまとまっています。このビデオをみていると、Steve Jobsはコンピュータとは何なのかをずーと考えていたことがよくわかります。
Steve Jobsは、一度Appleを去りますが、その間の経験は今のAppleの成功に大きく寄与しています。
NextComputerを創業した結果、ハイパフォーマンスコンピュータの可能性とそのコンピュータを動かす上で、より先進的なOSと開発言語を生み出しました。この時のOSが今のMac OSに発展し、開発言語はiPhoneアプリの開発言語であるObject-Cに結びついています。
Pixarの経験は、コンテンツの重要性に気づいたのではないでしょか。
Appleが傾きかけていたとき、Steve JobsAppleに戻ります。
最初のヒット商品は、iMacでした。カラフルなあのMacです。当時他のメーカも見た目が同じPCを次々と発表していたことを記憶されている方も多いかと思います。これは、コンピュータをオフィスから開放し、リビングに浸透させるとういう方向性のもと生まれたものです。
次のヒット商品が、iPodです。音楽コンテンツの販売形態を一気に変えてしまった、iTunesの登場です。このiPodの出現が一見して唐突なのです。コンピュータのメーカがなぜ音楽プレーヤーや音楽コンテンツの販売に精を出したのか。
ここで重要なのは、iPodは音楽プレーヤーとして販売されましたが、”音楽”という言葉にしばられるとその重要性を見失いがちです。
iPodには二つの重要なキーがあります。ひとつは、ポケットに入れられるコンピュータへの布石です。コンピュータのモバイル性の探求です。もうひとつは、ユーザインターフェイスの改革です。当然KBは実装できませんから、それに変わるユーザインターフェイスの実装が必要となります。iPodは、スクロールホイールやクイックホイールやタッチホイールといった、指の操作ですべてのインターフェイスを完結させる方式を次々と模索していったのです。この延長線上に、iPhoneで採用されたマルチタッチインターフェイスがあるのはいうまでもありません。
最近発表されてた第6世代のiPodnanoはこれを極めたものです。先日家電量販店に展示してあったiPodnanoをいじってみたのっですが、予想したより操作性がいいです。親指で隠れてしまいそうな、あのちっちゃな画面のタッチインターフェイスだけで、多くのメニューを選べるのは、まったくもって優れものです。これは、触れてみないいとその凄さがわかりません。
iPodnanoはウェアラブルコンピュータの布石になっています。iPodnanoの可能性は、それほど大きいのです。
iTuneの重要性は誰もが分かるとおり、コンテンツの配信とお金の回収を一貫して実現するシステムを構築したことです。アプリの配信と売上金の回収システムを構築したことにあります。
次のヒット商品は、言わずと知れたiPhoneです。このiPhoneの重要性は、電話とコンピュータを融合したことにもありますが、もっと大事なのは、マルチタッチベースのユーザインターフェイスを普及させたことなのです。マルチタッチインターフェイスを一度経験してしまうと、もうもとには戻れません。それに、KB/Mouseの操作が非常に原始的に感じてしまいます。
iPadは当然のことながら、このマルチタッチインターフェイスをコンピュータに適用するといった方向性のもと生まれたものです。

こう見てくると、Appleの目指すもの、Steve Jobsの目指すものが何なのかが、わかってきます。コンピュータを全ての人々に開放すること、人々の生活のあらゆるシーンにコンピュータを活用することです。それと、ユーザインターフェイスの改革です。
Appleは次にどんなプロダクトをわれわれに見せてくれるのか、本当にわくわくする会社です。