ウェブで学ぶ

”ウェブで学ぶ”読了。今後ウェブの世界で急速に発展するであろう、オープンエデュケーションについて、梅田さん飯吉さんのお二方が熱く語っています。

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)

オープンエデュケーションは、今後ウェブの世界を通じて、大きなうねりへと発展するようだ。
いま話題の、マイケル・サンデル教授の”白熱教室”もウェブで全て公開されている。
iTunes Uでも、大学の多くの授業がビデオで公開されている。恥ずかしながら、おいらが、iTunes Uの存在に気付いたのは、最近のことだ。iTunesを使っていて、気付かなかった。主にPodcastで海外のニュースビデオやニュースラジオを英語学習目的で使っていたのだが、iTunes Uの存在に全く気付いていなかったのだ。ほんとに恥ずかしい。でも、Podcastの海外ニュースラジオは、ヒアリングにはいい教材です。じっくり聴く場合もあるし、ウェブを見ながら、垂れ流しで聞く場合もあります。垂れ流しにしておいても、英語を聴くことの抵抗感がなくなるので、意外と有効です。
オープンエデュケーションの大きな可能性は、梅田さんのこの言葉に集約されています。”私たちが人生を切り開いて行くための強力な道具”である、と梅田さん書いています。そう、ウェブは”強力な道具”なのです。その”強力な道具”が、教育の世界にも革命をもたらそうとしているのです。
本書の冒頭では、オープンエデュケーションの先駆ともいえる、MITのOCWが紹介されています。おいらも覗いてみましたが、かなり充実していますね。授業のビデオは当然ありますし、ビデオに字幕スーパー(英語ですが)がでます。それに話した内容のtranscriptも掲載されています。やはり、英語の授業をヒアリングのみで理解するには限界があるので、字幕やtranscriptがあるのは、非常に便利です。
ちょっと物理に興味があったので、Walter Lewin教授のPhysics1:Classical Mecahnicsを視聴してみました。このレクチャーは、本書の冒頭でも紹介されています。おいらは、まだLecture1しか視聴していませんが、なかなか面白いですね。それにいろいろとインスピレーションも湧いてきます。古典物理を理解する上で、L(長さ)、T(時間)、M(質量)が重要な要素であることをしょっぱなから提示してきます。このアプローチを聴いて、はっと気付くことがありました。ちょっとした感激を受けた次第です。
昔ならば、MITの授業を受けるなんて、夢のまた夢でしたが、今やそれがインターネットを通じて無料で視聴できるのです。何て幸福な世界となったことでしょうか。夢のようです。

本書の最後の章は、”オープンエデュケーションと日本人、そして未来へ”と題されています。このなかで気になったのは、”何かに常にオープンにアクセスできる状態にあっても、実際にそれを取りに行って利用しないのであれば、それは、その人にとって『無い』も同然だ” という言葉です。ウェブはオープンですが、目的意識をもってアクセスしないと見えるものも見えないということです。日本人もこのオープンエデュケーションを利用しないのであれば、日本人にとって、それは無いことに等しいこととなります。このような、状況は当然のことながら避けなければなりません。
”おわりに”で梅田さんが書かれている言葉も強く胸に刺さってきます。”私がこの本を書きたかった理由はただ一つ。日本語圏のウェブ世界からはまったく見えない大変化が、世界では着実にしかも急激に起きていることを、皆さんに知ってほしかったからです。”
これは確かに言えて、ブログを書く都合上、海外メディアのニュースサイトをアクセスしているが、ITの世界だけみても、日々変化していることを実感します。すごく大きな流れのうごめきが日々あることを実感しています。
この本でもふれられていますが、iPadが教育に革命をもたらすかも知れませんね。おいらが思うに、ウェブをもっと活用すべきは教育、そして医療です。医療はもっともっと活用すべきでしょう。
あと、高齢者の方が、このウェブの世界にもどんどん参加してほしいですね。iPadが登場し、大きな画面となり、さらに端末の操作が直感的にできるようになりました。これであれば、高齢者の方も抵抗感なく、ウェブの世界に参加できるのではないでしょうか。