Googleは邪悪に手を染めるのか

Googleは邪悪に手を染めようとしているのか?邪悪に手を染めてしまったのか?
8月9日(米国時間)にGoogleとVerizonが共同で発表したNet Neutrality(ネット中立性)について、多くの批判があった。この記事もその一つだ。
Googleがムカつくって? 問題は:使うのをやめるほどムカついているか? そもそも使うのをやめられるのか?
この記事の最後は以下のように締めくくられている。
”これは一例にすぎず、しかも古い文書に基づいたものだ(その文書は2008年末のもの)。私たちは、Googleとの関係を再評価する必要のある時期に達しようとしている。もはやそれは、友だちが教えてくれた単に便利な検索エンジンではない。それは巨大な情報 ― 私たちの情報 ― の束の上に乗っているのであり、私たちは、その事実に満足していることに確信が持てなければならない。”
今やGoogleを信用すべきかどうかが問われているのだ。Googleは信用するに値するのであろうか?

この記事でもふれられている、WSJの曝露記事はこれだ。
Google Agonizes on Privacy as Ad World Vaults Ahead
WSJの記事では、過去にGoogleがそうすればできたであろう個人情報を広告活用の資源とすることを検討していたことが書かれている。個人がどのような興味の対象やどのよういなものを購入したかの履歴を広告の分析をしたい企業に高く(おそらく入札で)売りつけようとしていた。ただし、個人を特定するインターネット上のIDは個人の名前とリンクさせないようだ。
この記事の中にでてくる一文をみると、なるほど、われわれの行動履歴は、意外と単純に手に入れようとすればできてしまうのだ。記事からちょっと引用してみる。
”Few online companies have the potential to know as much about its users as Google. Consider 26-year-old Ari Brand, an actor living in Manhattan's East Village. Google has access to the fact he paid $733 for a flat-screen TV, because he uploaded his budget to Google Docs, an online word processor and spreadsheet. It has access to the 23,000 emails he has sent through Gmail. Google also saves searches tied to the network address of Mr. Brand's computer, which it makes anonymous after 18 months.”
Google DogsやGmailの内容にアクセスすることによって、誰がいつ何を購入したかが簡単に分かってしまうのだ。

Google本社前で、抗議のデモもあった。
フォトレポート:米グーグル本社前でネット中立性プランへの抗議活動
そもそも特定の企業が組んで、インターネットの”中立性プラン”を”中立的”に作成できるのだろうか?
このデモをした活動家たちの考えは、ネットが閉鎖的で管理されると訴えている。プラカードに並ぶ文字は、”インターネットを守れ”だ。

さて、なぜにこれほど物議をかもしたのだろうか?この記事が非常に分かり易い。
GoogleとVerizon、「開かれたインターネット」へ提案
GoogleとVerizonの提案は、7項目からなる。この中で特に問題視されるのが、ワイヤレスを中立性から除外していることだ。これから増々発展するであろう、ワイヤレス(モバイルデバイスからのアクセス)を除外していることが問題なのである。
この記事も手厳しい。
インターネットのオープン性や中立性をワイヤレスに対し免除する理由はない;誰もが守れるルールだ
この記事の最後は、以下の一文で締めくくられている。
”ネットの中立性は、だれもが無制限に大量のムービーをBitTorrentから自分の携帯電話にダウンロードできる、という意味ではない。どのビットも平等に扱われる、ブロックされるときですら、という意味だ。”
そうなのです。”どのビットも平等”であるべきなのです。

こんなGoogleの状況をスターウォーズになぞらえている記事もあります。なかなか面白いです。
Google Is Anakin, Verizon Is The Emperor, And The Dark Side Is Winning
この投稿記事では、Verizonが帝国、Googleがアナキン、FCCが旧共和国、インターネット企業が、まだ生まれいないルーク・スカイウォーカーに例えている。果たして、Googleは帝国に屈するのか?ダークサイドに自らの身を投じてしまうのか?

しばらくこれに関連する記事がなかったのですが、最近こんな記事がありました。
Google CEOエリック・シュミット:「あなたがどこにいるか、何が好きか知っています」
これが、Googleの本音なのでしょうか?ダークサイドに一歩足を踏み入れようとしているのでしょうか?そして、これがいつか現実となるのでしょうか?めちゃ面白いビデオがあります。シュミット氏に似た人物の表情は、邪悪に満ち満ちています。

結局プライバシーの問題(プライバシー情報の扱い)に行き着く訳である。個々人の行動に関する情報はうまく活用したい。個人の行動にフォーカスしたサービスは究極のサービスであるが、個々人の情報を本人の同意なしに利用されることが問題なのである。知らぬ間に、個々人の情報が、身も知らぬ企業に売り渡され、突然そのサービスを提供されても困る訳だ。本人の同意のもと、本人が望んだサービスのみに活用されることがポイントである。個々人の情報は、個々人が同意したサービス内でクローズされていることが重要なのだ。