AppleがLiquid Metalの使用権を獲得

AppleがLiquidmetal Technologies社のアモルファス金属合金の使用権を獲得した。
この合金が、他の金属と比べて、いかに特殊であるかは、このビデオをみても分かる。記事は、こちら。” Apple obtains rights to LiquidMetal patents ”
ステンレス・スチールとチタニウムとリキッドメタルの弾性を比較したビデオだ。


とにかく、弾性の違いに驚かされる。
この素材の特徴は、こちらの記事に簡単にまとめられている。”Apple Acquires Rights to Liquidmetal Technologies' Advanced Metal Alloys
この素材の特徴を記事から抜き出すと、以下の通りだ。

  • High Yield Strength(曲げ強度)
  • High Hardness(硬度)
  • Superior Strength/Weight Ratio(重量あたりの強度)
  • Superior Elastic Limit(弾性)
  • High Corrosion Resistance(耐腐食性)
  • High Wear-Resistance(耐摩耗性)
  • Unique Acoustical Properties(音響特性)

それではこの特質を生かした製品は何なのか?
まずはこの記事” Liquidmetal May Be Used For New iPhone Antenna Says Inventor  ”から。
次世代のアンテナとして適した素材だ、とある、。アンテナとしては、すでにVerizonのUSBタイプのワイアレスモデムに採用されている。
またBulk metallic glassesとして知られているものは、強靭で、傷がつきにくく、腐食しずらく、曲げ易くて軽い。
Appleは、この素材を何に使うかを明らかにしていないが、記事の推測によれば、まずはアンテナだ。それに、曲げ易い素材の利点を生かし、非常にクリエイティブなケースを製品化できる。
このクリエイティブなケースの一例として、IDEOが作成したイメージ写真がある。折りたたみ自在な、財布のような携帯電話が生まれるかもしれない。

また、この記事で紹介されているのだが、下の写真のように厚さ0.3mmの継ぎ目なしの香水入れもできてしまう。

” blow mold”とあるので、 吹込み成形で作ったものだ。ガラスのように合金を溶かして、吹込み成形で作るのだ。
blow moldのイメージ図は下の通りだ。素材に空気を送り込み膨張させ、型で成形する。プラスチックだと想像しやすいが、金属だとちょっと想像しずらい。


こちらの記事” Liquidmetal created SIM ejector tool for Apple's iPhone, iPad ”によれば、既にSIMのエジェクターで試作済み。米国内の3Gモデルの一部に密かに採用し、フィールドテスト済みとのことだ。

Appleは素材までにも、こだわろうとしているのだ。まー、現金をいっぱいもっているからね。
とはいえ、ここまでこだわるのがAppleでもある。