iPhone4のアンテナ問題

米国時間の7月16日午前10時から、iPhone4のアンテナ問題に関するプレスカンファレンスが開催された。
詳細は、Live from Apple's iPhone 4 press conferenceAppleのHPにもカンファレンスのビデオがあるので参照されたし。
iPhone4のアンテナ問題に関するプレスカンファレンスは、意外と穏やかに終了したようだ。結局無償でカバーを配布することになった。
このアンテナの感度問題は、iPhone4だけの問題ではないという強調と、iPhone3GSに比べても返却率が少ないことやアンテナの感度が悪いといったクレームはユーザ全体の0.55%しかないといった具体的数値をもって、iPhone4はいい製品であることを強調し続けた。
そいうはいっても、ジョブスのプレゼンはうまいなー。
冒頭からしてうまい。このような、信用に関わる問題(報道に叩かれた問題)の場合、どうしても弁護に回り、ただただ陳謝する傾向にあるが、ジョブスの場合は違った。
"You know, we're not perfect. We know that, you know that. And phones aren't perfect either."(パーフェクトな人間なんていない。電話だってパーフェクトじゃない。)"But we want to make all of our users happy. "(でも、Appleのユーザ全員をハッピーにしたいんだ。)
”完全な人間なんていないって、分かってるよね。だから完全な電話なんてないんだ。”と言っているのだが、よくよく考えるとスゴイ論理のすり替えだ。でも許せてしまうところがニクイ。そして”完全じゃあないけど、ただ皆を幸せにしたいだけなんだ。”なんて言うのは、何か伝道者の言葉にも聞こえる。
次も非常にうまい。
"This was 22 days ago... we haven't had out head in the sand. We've been working on this for just 22 days. We are an engineering company, and we want to find out what the real problem is. We've been working our butts off so we can come up with real solutions. And we want to share what we've learned."(22日間何が問題でどうしたら解決できるか考え続けたんだ。この間にAppleが学んだことをシェアしよう。)
と言って、このアンテナの問題をApple側のみの問題からみんなの問題(みなんが、よーく考えなければならない問題)へと思考転換させている。
そして、このアンテナ問題がiPhone4に限った問題ではなく、全てのSmartPhoneが抱えている問題なのだ、といった結論に至る。
”This is life in the smartphone world. Phones aren't perfect. It's a challenge for the whole industry. Every phone has weak spots."(これが、Smart Phoneなのだ。パーフェクトではない。全携帯業界がチャレンジしているのだ。どの電話にも電波受信が弱まる箇所がある。)

ちょっと興味深々なのは、アンテナのデザインとテストラボが、公開されたことだ。それにテスト施設に$100 milionもきちんと投資していることだ。忘れてならないのは、Appleがハードウェア・エンジニアの会社でもあることだ。それも結構ヘビーなハードウェア・エンジニアの会社であることだ。Appleに愛着があるのは、その製品が、”もの”として目の前に現れた際の、どうーしても手に入れたくなってしまうデザインと機能なのだ。Appleにとって、ハードウェア・エンジニアも重要であることを忘れてはならないのだ。