日本人の英語

マーク・ピーターセン氏の著作である。

日本人の英語 (岩波新書)

日本人の英語 (岩波新書)

初版は1988年4月20日、おいらが購入したのは、2010年1月25日第64刷版である。何と20年以上も読み継がれているのだ。その理由は、読んでみれば納得がいく。ロングセラーとなる理由が分かるのだ。
ブログの中で、時たま英語の記事を訳してみたりもしていたので、もうちょっと勉強でもしようかと思って購入しましたが、非常に楽しく読ませてもらいました。
英語の本?、なんて思うと堅苦しさを覚えるが、本書は英語表現のココロを楽しく理解させてくれます。読んでいて、そういうことなのか、と目からウロコが落ちるのです。
日本人にはいまいちピンとこない、aやtheの持つ意味が、英語を母国語とする人々の感覚を通して、丁寧に教えてくれます。
この本を読むと、やはりその言語を使う地域の文化をバックグランドとして理解しているかどうかが、かなり重要となると感じました。
aやtheについても、その先に続く名詞が特定されていないのか特定されているのかを強く意識しているのです。
日本語の場合、名詞に対して、それが特定されているかどうかは、あまり意識しないであろう。
また英語表現と日本語表現との差で顕著なのは、本文でも触れられているが、時制の表現である。英語はことの成り行きが重要(行動と状態の時が最も重要)であるが、日本語は、ことの結果が重要(行動と状態の完了の程度が大事)である。この時間と状態に関する感覚の相違が、日本人にはすっきりと理解できない点でもある。本文では、過去現在未来を軸にして、その状態がどの様に続いているのかによって、英語の表現がどう変わるかを、詳しく教えてくれます。
この本を読んで感じたのは、英語って意外と味わい深い言語なのだなーということです。