SoftBank業績発表

SoftBankの業績発表が、Ustreamで生中継されました。決算発表を生中継するなんて画期的なことです。
録画がこちらから観れます。ソフトバンクグループ 2010年3月期 決算説明会
なかなか面白かったので、内容をピックアップしました。
孫さんが何を目指しているのか、SoftBankとはどんな会社なのかがよく分かります。孫さんが常に世界を意識している(=日本がどうすべきかも意識している)ことが伝わってきます。そして重要キーワードである”ネットワーク、デバイス、サービス”の3点セットを提供しているのは、世界でもSoftBankのみであることを強調しています。

以下、決算発表の内容をピックアップしました。

フリーキャッシュフロー 3908億円です。(やっとお金持ちになった。)
モバイル事業は好調。固定電話も一位の利益。
NTT自身の構造問題、メタルと光ファイバーの二重構造が重荷になっている。メタル回線の維持費は3900億円、光回線の維持費は千数百億円。NTTの筆頭株主は、国。国とういことは税金でまかなっている。ということは、国民が株主ということです。
有利子負債は1.5兆円。(すごい借金だ。でも、3年後に無借金計画。そして増配。孫さんどんどんいきますね〜。)
世界中の携帯事業者の中で、データ収入が音声収入を上回った。
2001年 ブロードバンドでライフスタイルを一変させたい。(ブロードバンドにかけた志)当時は無謀な賭けであった。(やるべきだという意思。)いまや世界一のブロードバンドを実現した。
2006年 ボーダフォン日本法人買収。モバイルインターネットでライフスタイルを変革を目指した。(うーーん、インターネットをどう取り込んだかだ。孫さんはこの辺の先見性、体感性が高い。)
キーワードは、ネットワーク、デバイス、サービスである。
モバイルデータトラフィックが爆発的に増加。5年で40倍。10年で1600倍。インターネットインフラの設計思想への影響。ビジョンによる経営。
モバイルインターネット時代のネットワーク戦略。
マクロセルではなく、フェムトセル化+WiFiをすすめる。小セル化で無線機の小型化・高性能化を実現する。バックボーンのIP(Internet Protocol)化。SoftBankは完全IPによるネットワーク。これは世界初である!コストは40分の1に。トラフィックが40倍になってもコストは変わらない。基地局倍増計画を推進。2010年度中に約12万基地局へ。ウィルコム基地局ロケーションを活用する。通信事業は、土木工事のコストが高い。許認可の壁がある。800MHzはドコモとAuのみ。電波の到達エリアが異なる。1.5GHz帯でDC-HPSA採用。42Mbpsサポート。ホーム用のフェムセルを無償で提供(電波が届かない場合)。Wi-Fiルータを無償で提供。電波改善宣言。小セル化がカギ。
スマートフォン普及率 米国で50%となった。iPhoneは売れている。iPhoneだけが売り続けている。アンドロイド端末発売。モバイルインターネットカンパニーとしての自負。
あらゆる電子機器が通信機能をもつ。データトラフィックは増加。
(世界一の言葉が頻発です。)
パソコンは生産性を上げるため、モバイルは感動の共有のため。パソコンは片方向、モバイルは双方向。ライフスタイルの効率を上げる。知識を共有するSNS
Ustreamの月間視聴者数は1億を超えた。テレビ局は世界で28000社、モバイル利用者は3億。(Ustreamを発信局とすれば、モバイル利用者全員が、テレビ局になる可能性を秘めている。)Ustreamスタジオ開設。日本語バージョンサポート。進化の速度、意思決定の速度が早まっている。
ネットワーク、デバイス、サービスを提供しているのは、世界でもSoftBankのみである。
モバイルインターネットを制するものがインターネットを制する。


最後は、質疑応答。これも1時間以上続きます。気になったところをピックアップしました。
Q:SIMロックフリーについて。
A:世界の主流はまだ2G。2Gの世代は周波数帯は同一でありロックフリーができた。3Gは端末が高くなる。料金プランはロックもロックフリーも同額とする。端末に選択肢を与える。SIMロックは固定客。
Q:基地局の強化は?
A:ウィルコムの16万局を活用する。
Q:SIMロックフリーの強制化につて
A:SIMロックフリーの強制化は、3タイプの通信方式、周波数帯が異なることの対応を端末に盛り込む必要がある。これは、端末をガマガエルみたいに肥大化させる。端末は大きくなり消費電力は増大する。日本以外は2Gである。日本は3Gである。この相違をよく理解しなといけない。
Q:トラフィックが40倍になるという根拠は?
A:CISCOの試算を引用している。
Q:ADSLで十分か?
A:モバイルの受け皿としては十分である。ビデオオンデマンド等の対応は無理。光ファイバーの敷設が必要。
Q:800MHzの優位性について。周波数帯に対す施策は?
A:総務省はどの周波数帯を何の目的で使うかを議論している。世界標準を睨んで決定する。現在800MHz帯はタクシー無線に割り当てられている。この利用端末は25万台しかない。その理事に役人が天下っている。
Q:光ファイバーは全国に敷設する必要があるのか?
A:国民にとって何がベターかをまず考えてほしい。メタルを引きはがし100%光に置き換えても、1400円のままで利用できる。固定電話もアダプタを付ければそのまま利用できる。光にするには、2.5兆円必要だが、メタルと光の二重構造に比べれば、メンテナンス費用は3000億円コストダウンできる。二重構造のままだと最後の10%のエリアが置き去りにされる。地域のデジタルデバイドは避けるべきだ。モバイルで十分だというのは大きな間違え。動画ストリームは無理。電子教科書、電子カルテも無償で配布が私の意見である。無償で通信もつながるべき。公的社会インフラサービスは無償でつながるべきだ。全ての日本国民に情報アクセス権を与える。一人も取り残しをしない。
Q:インフラ設備に競争力がなくなるのでは?
A:物理線は進化していない。電話線のメタル回線は昔のまま。進化があったのはその両端にあったハイテク製品です。銅に進化はない、ガラスも同じ。進化があるのは両端にある通信機器である。設備競争の定義を物理線と両端の通信機器とをごっちゃに考えるべきでない。

以上で終了となります。最後の方は、孫さんの熱意が伝わってくるな〜。