クラウドの先にあるもの(最終回)

クラウドの先にあるもの”も最終回をむかえた。
さて、クラウド化にいたるステップを簡単にまとめると以下のようになるでしょか。
ネットワークのインフラの整備と高速化に支えられ、インターネットが爆発的に普及した。そしてデジタルデータの流通網が拡大。ブラウザの登場によりインターネットで文字と画像の扱いが可能になった。デジタル機器の低価格化とモバイルデバイスのさらなる普及により、誰でもどこでもデジタルデータの流通網にアクセス可能となった。デスクトップPC上に存在していたソフトやツールは、インターネット上に存在していても、高速化したネットワークのおかげで不便を感じないまでになった。
今の”クラウド”状況と今後の”クラウド”も含め、”クラウド”にコネクションされたサービスを概観すると下の絵のようになる。

クラウドのあちら側にあるのは、膨大なデータやツール/アプリ、コンテンツである。これはあくまで利用されるものである。いまはやりの”クラウド”とは、このツールやアプリやデータをいままで自前で準備や管理していたものを、単純にコストの面からインターネットのあちら側に移行させたに過ぎず、これは”クラウド”の意味する極一部の形態にしか過ぎない。(と、おいらは考えています。)

自分のデータをクラウドのあちら側に置く必要があるのは、モバイルデバイスの普及がある。デスクトップ上にのみに必要なデータがあると非常に不便な訳だ。モバイルデバイスの普及(当然ネットワークの整備)とともに、クラウドの中にデータを集約することは必然の流れなのである。データが集約されたら、当然アプリやツールもクラウドの中に集約されていくことは当然のことであろう。ただ何度も言うが、これだけがクラウドではないと、おいらは考える。

クラウドのセカイには、そのインターネット内で閉じたセカイとインターネット外とコネクションされたセカイが存在する。
インターネット内で閉じたセカイとはインターネットに対し、情報をインプットし、インプットされた情報が流通することによって成り立っているセカイである。
インターネット外とコネクションされたセカイとは、現実世界の情報とインターネットからの情報を一体化させ現出させることによって成り立っているセカイである。

インターネット内で閉じたセカイとは、従来からの情報発信系(ニュースサイト、企業のホームページ、検索サイト、商品売買サイト等)から、膨大なブログ(情報のストック)や様々なSNS(コミュニティ)、Twitter(情報のフロー)といった情報流通を主目的としたセカイである。
一方インターネット外とコネクションされたセカイとは、位置情報やAR(Augmented Reality)により現実世界の情報とインターネットにある情報を連携させたセカイである。インターネット外に、情報を埋め込ませたセカイである。身近な例をあげれば、あの”セカイカメラ”がある。これは、現実空間にインターネットからの情報を埋め込んだセカイである。
今後はインターネット外とコネクションされたセカイがもっと広がっていくと予想される。要は人間の行動とインターネットが連携して行く訳だ。
人間の行動を記述する上で、俗にいう5W1Hが参考になる。この5W1Hと必要となる情報を対比してみると、こうなる。
・where どこ?    位置情報 (3次元)
・when いつ?    ログ情報  (時間軸)
・who 誰?      認識情報  (認証) 
・why 何故?     判断情報  
・what 何?     検索情報  (対象)
・how どうやって? 知識情報   
これらの情報とインターネットが連携することによって、新たなセカイが現出するのだ。
まだこれらの情報とインターネットの連携は十分でなく、今後これらの連携が発展していくし、その中に新しいビジネスチャンスがある。
また、今後発展するインターネットと人間行動の連携の重要なキーワードは、検索技術、AR、認識技術(UI)であろう。

今回で”クラウドの先にあるもの”は最終回であるが、とりあえずのピリオドでと考えている。今後も”クラウドの先にあるもの”の重要なキーワードである、検索技術、AR、認識技術については、ブログで語っていくことにする。