iPad買う?買わない?

ここ最近のApple関係のニュースで、下のグラフをもとに、iPad発表後はiPadを購入をしないと決めた購買者が急増したというような記事が目についているが、おいらは、このアンケート結果の解釈が正しくないと考えている。

このアンケート結果のグラフを一見すると、iPad購入に興味がありませんという人が、倍増したように捉えられてしまう。でも、ちょっとよくみてください。iPadを絶対に買うという人が、3%から9%にも増えています。ちょっとおかしいと、感じませんか。
そこでこのアンケートの設問と回答を整理し直してみました。
iPad発表前の設問は、
Appleの新しいTabletが1月に発表される事を知ってますか?
です。
回答は、
知ってます。興味あります。どんなものか知りたいです。19%
知ってます。購入する気は無いです。26%
知ってます。絶対買います。3%
知りません。興味ありません。35%
知りません。興味あります。どんなものか知りたいです。17%

次に、iPad発表後の設問は、
Apple Tablet知ってますか。
です。
回答は、
知ってます。絶対に買います。9%
知りません。興味ありません。18%
知ってます。興味あります。買う前にもっと知りたいです。21%
知ってます。購入する気は無いです。52%

この回答内容も比較しづらいので、
回答の区分として、知っている、興味がある、購入する、の三つの区分にして整理し直したのが、下の図です。

iPadの発表を知っていて、興味があって購入しようとする人は、発表前は3%ですが、発表後は9%になっています。
iPadの発表を知っていて、興味があるが、購入を決めかねている人は、発表前は19%ですが、発表後は21%です。
iPadの発表を知っているが、興味もないし、購入する気も無い人は、発表前は26%ですが、発表後は52%とです。
iPadの発表を知らなくて、興味はあるが、購入を決めかねている人は17%から0%になりました。これは、iPadの発表後、他の区分に遷移したという事です。
iPadの発表を知らなくて、興味もないし、たぶん買わない人は、35%から18%に減っています。この区分の人もiPad発表後に、他の区分に遷移したことを意味しています。
分かりやすく書いたのが、図の下半分です。
気になっていた人は、iPad発表後、絶対に買うと決めたのが6%、まだ決めかねているのが2%、やっぱ買わない人が9%になった。
iPadって何?という人は、iPad発表後、iPad発表をみて、やっぱ買わないと決めた人が17%、iPad発表も知らないままの人が18%、ということになります。
図の表の中で、”購入する”欄に×印のある人は、正確には、iPad発表前は61%でありiPad発表後は70%となります。
もともとの記事のニュアンスでは、購入しないと決めた人が倍増したように捉えられてます。iPadの発表にがっかりした人が倍増した印象を与えます。実際はもともと購入する気がない人は61%でそれが70%になったに過ぎません。
ここで、購入する気がない人が70%もいるのか、と驚くかもしれませんが、そう悲観する必要はないと思っています。
何故なら、絶対に買うと決めた人が9%もいるからです。
一般的にイノベータと称される人は、マーケット全体の2.5%程度存在すると言われているので、ちょうど発表前に既に購入すると宣言した人が3%いますので、この方々がイノベータに相当しています。イノベータの次が、アーリアダプターと称される人々がいますが、こちらは一般的に13.5%程度といわれています。まだこの領域には達していませんが、購入を迷っている人が、21%もいます。iPadの実物を手に取り、それが目の前にあれば、購入を迷っている人の多くがiPad購入を決心するでしょう。実際に操作するDeviceが目の前にあると、人の心は購入へと動きやすいものです。ということで、それほど悲観するほどでもないでしょう。
iPadは、MacBookとの棲み分けが微妙というか、へたをするとMacBookの市場を食ってしまう可能性があります。このため今回の発表では、ちょっと中途半端な、ちょっと物足りないiPadにしてしまったのではないでしょか。