インターネットは世界を破壊する。

ちょっと、過激なタイトルになってしまった。

AmazonKindleによる個人の著作物配信を米国以外にも拡大することを決定した。これで自費出版の敷居がぐっと下がる。
この記事は、1月18日付のものである。価格は利用者が設定でき、売上の35%を受け取ることができるとある。
Amazon側の取り分は、65%となる。最初これを読んだ時は、Amazonさん、そりゃあ取りすぎでしょう、と思ったが、従来の出版物では、作者の印税は精々10%程度である。これから考えると、印税が35%というのは、作者にとって破格の取り分はという事になる。
ただ厳密にいうと、作者にはこれ以外に、原稿料が入る。著作物が売れても売れなくても、手取り収入がある。

と、そんな事に思いをめぐらしていた矢先、衝撃的な記事が流れた。1月20日の記事だ。この記事によると、新たなRoyaltyが70%になったと書かれている。こりゃ凄い。作者の取り分がここまで増えると、自費出版をしたい人以外も、このルートで電子図書を出版するだろう。ベストセラー作家は別として、中堅どころの作家は、Kndleを利用したルートに大挙して流れるのではないだろうか。

個人で本を出版したい方には朗報でだ。従来の紙出版を扱う業者にとっては大打撃になるだろう。
まさに、紙出版業界の破壊である。
逆に、個人にとって非常に大きなチャンスである。
従来の自費出版の場合、敷居はかなり高い。
まず売れるかどうかわからない部数を、事前に刷っておく必要がる。
それに販売ルートを確保しなければならない。
さらに本の単価も販売するからにはそんなに高い価格設定はできない。
Webで”自費出版”を検索すればいろいろとでてくるが、200ページ程度で1000部刷って200万円とある。単純計算で一冊2000円である。200ページ程度の本だとさすがに2000円の値付けは出来ない。1000円前後が妥当な価格であろう。そうなると、一冊売れるごとに1000円の赤字だ。
それに、そもそも全数売れるかどうかも分からない。
リスクだらけだ。自費出版をするのは、自分の本が書店に並ぶという満足感を得るためもあるので、儲けることが目的でないが、金銭的に余裕がないといずれにしろ無理だ。
それに比べて、Kindleでの販売ルートであれば、元手は出版物に必要なISBNコードの取得費用だけで良い。2万円もしないのだ。(2万円弱で、ISBNを10コード取得できる。1コードあたりにすると2000円弱の負担となる。)
売れ残りの心配もない。出版物の電子データを保存しておくだけでよいのだ。
お金の回収もAmazonが代わりにやってくれる。
これほど便利な自費出版はない。(注:現時点では、日本語はサポートされていません。)

インターネットは(クリス・アンダーソン風に言えば、ビットは)、既存のルールを破壊するのである。


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