イノベーターの時代

スティーブ・ジョブズ驚異のイノベーション”の紹介です。

スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション

スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション

著者は、”スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン”のカーマイン・ガロ氏です。
スティーブ・ジョブズ氏がイノベーションを生みだすためにどのようなアプローチをとったのか、を説いていきます。スティーブ・ジョブズ氏のイノベーションを生み出すエッセンスに迫ります。
本著では、7つの法則としてまとめています。
おいらが一番のお気に入りは、法則4の”製品を売るな。夢を売れ。”です。顧客中心主義のエッセンスですね。顧客が何を望んでいるのか、何を実現したいのかを第一義とすることです。

イノベーションというと、何か敷居が高く感じてしまいすが、カーマイン・ガロ氏は、この先入観をとっぱらってくれます。
カーマイン・ガロ氏の考えるイノベーションとは、
『発明家になれる人は限られているが、イノベーターには誰でもなれる。店を訪れた人に何か買ってもらうアイデアを思いつけば、その人はイノベーターだ。』
『地域の学校を活性化する方法を思いついた専業主婦もイノベーターだ。』
イノベーションは、すばらしい人生を送るために普通の人が日々、行うことだ。』
としています。
わぉ!誰もが簡単にイノベーターになれるんですね!

本著では、イノベーションの例が多く取り上げられていますが、非常にシンプルなイノベーションとして、ウェスティンホテルの例があげられています。従業員と宿泊客の距離を縮めることを目的とした、非常にすばらしいイノベーションです。何だと思います?
名札の代わりに、名前の下に「私の情熱は・・・」と書いたのです。非常にシンプルです。思わず従業員と話をしたくなりますよね。これで宿泊客と従業員の会話が進み、気になることを宿泊客が語ってくれることが増えたそうです。

誰もがイノベーターになれますが、イノベーションを起こすためには、
『情熱なしでイノベーションはあり得ない』
としています。そう、情熱こそが何にも勝るエッセンスなのです。スティーブ・ジョブズ氏を見れば分かります。とてつもない情熱の塊です。情熱こそがイノベーションを成し遂げるための原動力です。
それでは、イノベーションを起こすための発想法とはどのようなものなのでしょうか?本著では、5つあげています。
「連関力」、「疑問力」、「実験力」、「ネットワーク力」、「観察力」の5つです。
これを、もっと簡潔に表したジョブズ氏の言葉があります。スタンフォード大学でのスピーチの最後の言葉はこう締めくくられています。
『Stay hungry,stay foolish.』
本著の訳では”ハングリーであれ、分別くさくなるな。”と訳していますが、イノベーションという観点からもっと意訳すると”情熱をもて、常識を疑え。”となります。”Stay hungry,stay foolish.”は、本当にいい言葉です。

さて、やっぱり気になるのはAppleと他の会社はどう違うのでしょか。
一貫したビジョンが共有されていることが大きな違いです。一方マイクロソフトがどうかというと、
マイクロソフトには、イノベーションを生みだす仕組みがないのです』
『大きな違いは、アップルの場合、全員が横一線に並んでスティーブ・ジョブズに追い立てられているという点でしょう。つまり、どのグループもどのプロジェクトも、ジョブズのビジョンと一体なのです。これに対してマイクロソフトの事業はサイロ型で、それぞれがプロフィットセンターとなっています。左手が何をしているのか、右手は知らないことが多いいのです。』
うーん、このくだりは頭が痛いですね。事業部制をとっている企業は、誰もが感じていることです。
特に日本の大企業は頭が痛い指摘ですね。

最近特に思うのは、日本ではもっとスタートアップの会社を支援する仕組みが必要ですね。若い人やお年寄も含めて、スタートアップしやす環境の支援が必要です。
特に若い方は、大企業指向ではなくて、スタートアップ指向になって欲しいですね。これからは、もっともっとイノベーター的な発想をもつことが重要視されていくでしょう。

それに、イノベーター的な発想を常に持つことが、人生を楽しむことにつながるのではないでしょうか。