iPad2 最新レビュー

3月11日に米国でiPad2が発売された。気になるレビュー記事をいくつか紹介していこう。
■ iPad2のティアダウン(分解)レビュー
定番の記事がiFixitから発表されている。
この記事から分かることは、初代iPadに比べiPad2は実装面でかなりすっきりしていることだ。初代iPadは筐体の中に詰め込んだ印象であるが、iPad2はバッテリーやメイン基板がきれいにおさめられている。
初代iPadiPad2の全体の分解写真を並べてみると分かり易い。実装面で貢献しているのは、メイン基板とスピーカだ。一見して分かるのは、スピーカがかなり小型化されていることだ。初代iPadのスピーカが大きすぎるということでもあるのだが。(注:分解写真は、縦方向に拡大してあります。)



メイン基板は、驚くほどすっきりしている。初代iPadは両面実装であったが、iPad2は片面実装だ。裏面には部品が実装されていない。コスト削減にも大きく貢献してることがうかがえる。写真で比較してみる。



まとめてみると、iPad2は初代iPadに比べ、実装形態が大幅に改善されている。これは何を意味するかというと、組み立てのコスト低減は当然であるが、おそらく製品の歩留まりも改善されているであろう。部材のコスト以外でも製品コストが大きく改善していると予想される。

■ iPad2の重量レビュー
iPad2は、iPadに比べ、79g軽くなった(WiFiモデルで公開されている仕様から算出。公開されている仕様だと、iPadは680g、iPad2は601gである。)。どのようにして軽くしたのだろうか。重量に関するレビューを紹介する。
iPad 2 weight savings: 75 percent is glass/LCDの記事では、ティアダウンしたWiFiモデルを実測した重量をiPadは712.60g、iPad2は600.60gとしている。iPad2の重量は公開されている重量と同じだが、iPadの重量は公開されている仕様と合わない。この辺の理由は、ちょっと不明ですが、軽量化に大きく貢献しているのは、LCDパネル部だ。LCDパネル部の実測した重さは、  
・ iPad LCDパネル部 347.9g → iPad2 LCDパネル部263.2g
となり、84.7g軽量化している。
この軽量化の秘密は、LCDパネル部を薄くしたことにある。
薄さを比較すると
・ iPad LCDパネル部(LCD 3.2mm/Glass 0.85mm)→ iPad2 LCDパネル部(LCD 2.4mm/Glass 0.62mm)
となり、全体で1.03mm薄くなっている。iPad2は、iPadから4.6mm薄くなっているから、LCDパネル部だけで全体の22%をかせいだことになる。

まとめると、iPad2はLCDパネル部を薄くしたことによって、軽量化も同時に実現したのである。
おそらく、Apple自身も各部品の重さや厚さを測っているはずだ。そしてグラム単位、ミリ単位でスペックを詰めていったに違いない。こうみると、iPad2は薄さと軽さを最優先に追求したバージョンであることが分かる。

■ iPad2のCPUとグラフィックス性能
Apple iPad 2 GPU Performance Explored: PowerVR SGX543MP2 Benchmarkedに詳しいレビューが紹介されている。ベンチマーク全体をみてみると、概ねCPU性能もGPU性能も4〜5倍アップしている。これはかなりすごいことだ。
記事では、” Infinity Blade”というゲームの描画をレビューしている。これも並べて比較するとよくわかる。
左が初代iPadである。右がiPad2である。白丸の箇所は、城砦の壁から空がんぞいているが、よーくみると、初代iPadは壁と空の境目がギザギザの表示になっている。それに比較し、iPad2は壁と空の境目の表示がきれいな直線になっていることが分かる。
緑の丸で囲った箇所は、もう一目瞭然であろう。兵士が身につけている鎧の質感がまったく異なっている。iPad2の方が、金属の質感がよく表現されている。


■ iPad2のブラウザの表示性能
こちらもApple iPad 2 Previewの記事で紹介されている。WebページのLoad時間のテスト結果をみると、iPad2は初代iPadに比べ30%程度高速化されている。
また、マルチでWeb画面をひらいてた場合は、搭載されているDRMAの容量が256MBから512MBになったおかげで、Web画面の切り替えが劇的にスムーズになっている。比較ビデオはこちら。


■ iPad2のカメラ性能
気になるカメラ性能ですが、こちらもApple iPad 2 Previewの記事で紹介されている。フロントカメラとリアカメラの撮影写真も掲載されており分かり易い。この写真をみても分かるように、フロントカメラはそこそこの写りだが、リアカメラはチープな画像になっている。リアカメラはクリアーな写真を撮るのは無理かもしれませんね。

■ iPad2の価格
価格はドルですでに発表されているのだが、まだ日本での販売価格がいくらになるか発表されていない。iPad2の発表に合わせて、iPadも値下げされた。こちらは、すでに日本での販売価格も決定しているので、その価格からiPad2の日本販売価格を推測してみる。
下の表にまとめてみました。左が初代iPadの発売当初の価格です。中央が今回ディスカウントされたiPadの日本販売価格です。右がiPad2の日本販売予測価格です。
こう見てみると、日本販売価格は円換算レートをいくらにするかにかなり影響されていますが、iPadの発売当初の価格(当時の実勢円レートに比較するとかなり高めだ。)と比べると激安になっていることが分かります。
iPad2は32GB 品がお手頃価格ですね。それに、iPadのディスカウント価格もかなり魅力的ですね。