GalaxyTabはiPadの対抗馬となりうるのか?

GalaxyTabが11月26日にDocomoから発売される。前評判はそれほど悪くない。ただ、この7”サイズとういのがどのくらい受け入れられるかだ。
実際に手にとってみないと分からないが、事前のレビュー記事があるので、いくつかピックアップしてみます。

GALAXY Tab」はiPadの好敵手--詳細レビュー(前編)
記事の冒頭に長所、短所、結論が記載されています。抜粋します。
”長所:このサムスンの7インチAndroidタブレット端末は、AppleiPadの手強い競争相手であり、2つのカメラ、Flash対応、より使いやすいサイズという特長を持っている。”
”短所:GALAXY Tabネットブックの代わりというよりは、巨大なAndroid携帯電話のようだ。Android OSとそのアプリケーションは、まだ大きなスクリーン向けには最適化されていない。プランに応じて、2年契約と月額料金を選択するかどうかを判断することになる。”
”結論:GALAXY Tabは、iPadユーザーを羨ましがらせる機能をいくつも備えた美しい製品だが、その中間的なサイズと通信会社との契約の問題が、幅広い層にアピールするには障害になっている。”

本当にiPadの対抗馬になれるのか? いよいよ発売の「GALAXY Tab」を使い倒して超辛口レビューで斬ってみたよ!(動画あり)
辛口レビューですが、正直な感想が述べられていますね。記事の中から感想を抜粋してみます。
”これまでのAndroidタブレットとは一線を画する非常に完成度の高い製品
”グンとiPadよりも軽くなった7インチのコンパクトサイズの強みが挙げられるでしょう!”
”やっぱりタブレットのベストサイズは7インチくらいの軽く女性が片手でも持てるような大きさが一番なんじゃないかなって気持ちにさせられる人も少なくないでしょうね。そう思わざるを得ない、非常にいい感じの仕上がりにGALAXY Tabが完成してきているのはうれしいポイントですよね〜”
”どちらかというとAndroidスマートフォンなのだろうかって素朴な疑問が湧き上がってくるんですよね。”
”なんとなくGALAXY TabAndroidスマートフォンのビッグサイズのバージョンという位置づけ以上ではないかもしれないんです。”
”7インチのスクリーンサイズで1024×600ピクセルの高解像度というスペックは十分に魅力になるでしょう。手に持った時の印象は本当にいいですよ。これなら大きさや重さを気にせずに長時間でも持ち歩いて使いやすいって好評価が続出しそうです。”
GALAXY Tabは、決して10時間選手としてのiPadにも大きく引けを取ることはない、ほとんどバッテリー駆動時間のことは心配しなくてもよい製品に仕上がっていますよ。”

ドコモ、Androidタブレット「GALAXY Tab」を11/26(金)に発売!気になる価格は?
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インターネットは快適?「GALAXY Tab」発売前レビュー!iPadやiPhoneとも比べてみた
画面比較の写真あり。ウェブの表示比較もあり。

Androidタブレット「GALAXY Tab」を買う前に知っておきたい10個のこと
10の疑問に答えてくれます。


ただ、7”サイズのタブレットについては、スティーブ・ジョブズ氏が、2010年Q4の決算報告のなかで酷評している。
Apple、売上200億ドル超 - ジョブズ氏が断言「7"タブレットはDOAだ」

Apple Reports Q4 2010 Profit of $4.31 Billion on $20.34 Billion Revenue, Best Quarter Ever

ジョブズ氏の発言の原文を抜粋します。
”- Commenting on avalanche of tablets heading to market. Just a handful of credible entrants. Almost all use 7" screen, compared to iPad at nearly 10" screen. 7" screen is only 45% as large as iPad's screen. Hold an iPad in portrait view and draw a horizontal line halfway down. What's left is a 7" screen...too small. There are clear limits to how close elements can be on the screen before users can't touch accurately. We believe 10-inch screen is minimum necessary.
- All of these tablets are using Android, but Google is telling them it isn't ready for tablets and to wait until next year.
- Even with smaller, less-expensive screens, competitors are having a hard time matching iPad pricing. We have tons of experience in design...we've designed everything on ours. The 7-inch tablets will be dead on arrival. Their manufacturers will learn the painful lesson and abandon them for larger sizes next year, abandoning customers and developers. Sounds like a lot of fun.”
ジョブズ氏の発言を要約すると、7”サイズの表示面積は10”サイズの半分しかない。小さすぎる。タッチインターフェイスを十分に活かすには10”サイズが最小の大きさなのだ。それにGoogleもいまのAndroidタブレット向けになっていないといっている。タブレットを意識したAndroidは来年発表だ。価格面でもiPadに対抗できない。来年になれば、みにな大きなサイズにしているよ。

ジョブズ氏に対する反論も当然あります。
7インチ型タブレットが成功し得る理由
この記事の最後の一文が、7”タブレットの方向性を示しています。
”いずれにしろ、確かなことは、Androidタブレットを作る各社が、Apple社の支配状況に抗おうとするならば、彼らはJobs氏が書いたシナリオから離れなければならないということだ。”
要は、iPadもどきではなく、携帯性を活かした新しい市場を形成できるかどうかですね。iPadのあとを追ったら駄目ということです。

総合すると、GalaxyTabは従来のAndroidタブレットよりは完成度が高い。携帯性は優れている。バッテリーの持ち時間も問題ない。ただ、印象としては、Androidスマートフォンを大きくしたものである。
7”サイズというのが微妙なサイズですね。スマートフォンを大きくしたものなのか、はたまたタブレットとして携帯性をもたせたものなのか、である。そうなるとタブレットって何だ?ということになる。
いえることは、7”サイズが新たな市場を生み出すことができるかだ。
iPadは新しい市場を牽引しようとしている。電子書籍(新聞、雑誌含む)の市場を変えようとしているし、タッチインターフェイスを武器にPCというものを万人に(いままでPCとあまり縁のなかったお年寄りまで)開放したのである。
結局10”サイズのiPadの存在があっての7”サイズなのだ。iPadが出現しなければ、誰も7”サイズのタブレットの製品化を具体化することもなかった。
iPad開発時は、10”と7”を同時開発していたという情報もあり、iPhoneやiPodtouchをすでに製品化しているAppleとしては、新しい市場を開拓するためには、10”サイズの選択しかなかったということですね。
10”サイズを製品化することによって、iPhoneやiPodtouchの延長線上ではなく、まったく新しい市場を開拓できたということです。
今では、”タブレット”という市場が認知されているので、7”タブレットはありかもしれないが、あとは使用目的ですね。10”サイズのタブレットの表現力をうまく移植するのか、はたまた全く新しい市場(アプリ)を開拓できるかです。
現時点では画面サイズが大きくなったAndroidスマートフォンといった位置づけにならざるを得ないのかもしれません。