合い言葉はソーシャル

”ソーシャル”という言葉を最近よく耳にする。ここ3週間ばかりの気になる記事も、”ソーシャル”に関する記事が多い。時代は”ソーシャル”へ向かっているようだ。そう、”合い言葉はソーシャル”なのである。
では、なぜ”ソーシャル”なのか?
まず参加者のメリット。
・”ソーシャル”はオープンでかつ無料であり、参加しやすい。
・意図する仲間と手軽にリレーションがはかれる。
・自分の意思が反映される。

次に企業のメリット。
・参加を無料にし、間口を広げる。まずは、人のフローを囲い込む。参加した後に、参加を継続させるための、課金方式を盛り込む。
・ターゲットとするユーザを絞り易い。口コミが広がり易い。マーケティングツールとして最適。
・”ソーシャル”にログされたオープンな個人記録をもとに、サービスのパーソナライズできる。

そして、”ソーシャル”の情報の流れをみると、以下の流れとなる。
・参加 → ソーシャル・ログ → パーソナライズ → パーソナル・サービス

また、インターネット全体を眺めると、インターネットの中で閉じている”ソーシャル”が、現実世界と連携した”ソーシャル”へと発展する。
Facebookは参加への入り口だ。そこに、ソーシャル・ログが蓄積される。下の記事にもあるが、AmazonFacebookの連携は、ソーシャル・ログのパーソナライズ化を利用し、パーソナル・サービスへと発展させている。AppleのSmart Bikeのpatentは、現実世界と連携させた”ソーシャル”の利用を促すものだ。そして、iPhoneiPadをソーシャル・デバイスへと導いてくのだ。

 以下、最近の記事の抜粋です。(注:『』は記事からの引用です。)
■ Where Facebook's half a billion users reside
Facebookのユーザが5億人に達しました。

■ DeNAはソーシャルゲームで2010年度Q1も増収増益。年内にはスマートフォン版モバゲータウンも。
日本でも、”ソーシャル”の躍進は続いています。

■ Facebook、Googleのソーシャル戦略製品情報を入手したと吹聴
GoogleFacebookソーシャルメディアで激突するのか?これは、Google Meの噂をさしています。Facebookの元CTO曰く: Google Meは噂ではなく事実であり標的はFacebookだ

■ 米国人のネット利用、ソーシャルネットワークの時間が増加--Nielsen Online調査
『 Nielsen Onlineが発表した調査報告書によると、これは新しい傾向ではないが、インターネット利用時間にソーシャルネットワークが占める割合が拡大しているという。2009年の調査時、ソーシャルネットワークがオンライン滞在時間に占める割合は15.8%で、全項目中1位だった。しかし、その割合は1年間で43%増加し、現在はオンライン滞在時間の22.7%を占めるまでになった。ほかのカテゴリでは、動画/映画とオンラインゲームが、それぞれ12%増、10%増と2桁の増加を記録した。 』
滞在時間が長くなることは重要です。

■ Twitterの上で悪人を見つけるための手がかりとは?–Barracuda Labsが計量的仮説を発表
ソーシャルの功罪だ。
Tweeterで『 - これまでに10回以上トゥウィートしたことがあり、フォロワーが10人以上いて、10人以上をフォローしている人は、全ユーザのわずかに28.87%である。 』”とのこと。リアルユーザは3割り程度。残りは・・・。

■ ソーシャルメディアをソーシャルに使えない企業が多すぎる–イギリスの調査報告書より
ソーシャルを利用するだけの発想は駄目だということ。
『 イギリスのテク系企業の90%が複数のソーシャルネットワークを使っているが、そのほとんどが、それらをソーシャルに使っていない。むしろ、あまりにも多くの企業が、TwitterFacebookを、単なる従来的なマーケティングチャネルとして扱っている。』

■ Apple's Game Center aims to be like Xbox Live for iPhone OS
Appleもソーシャルを狙うが、うまく行くのだろうか?Game Centerの全貌は、いまだ明らかにされていない。ただ単に、ソーシャルを冠すればいいとういわけではない。

■ Flipboard - A Social Magazine App for iPad
これは、ソーシャル・マガジンです。

噂のiPadアプリ「Flipboard」登場、Twitterストリームなどを雑誌形式に
『 McCue氏はFlipboardを「ソーシャルマガジン」と説明している。TwitterFacebookからユーザーが受け取っているツィート、リンク先の記事や写真、ステータスアップデートなどをアグリゲートし、雑誌のようなレイアウトにまとめて表示する。 』

■ Hearst’s Kaboodle Gets Into Social Commerce With Flash Sales Site PopPicks
これは、ソーシャルショッピング、ソーシャルコマースです。
『 PopPicks, which is members-only, partners with a retailer each week to feature a collection of products. The Kaboodle community is then invited to vote for the products they like best. After four days of voting, the most liked products are made available to Kaboodle members at an steeply discounted prices for four days or until the inventory is sold out. 』
投票でお気に入りの製品を決め製造販売します。

■ Disney、ソーシャルゲームのPlaydomを買収完了か?
これは、結構うまくいくかもしれませんね。ディズニーは強力なキャラクターをたくさん持っています。キャラクターの販売とマーケティングの両方をうまく成功できそうです。
『 ディズニーは各種キャラクターから映画まで、さまざまな分野で有名ブランドとしての地位を確立している。これらをソーシャルゲームと連携させることができれば大きなメリットを生むこととなるだろう。ソーシャルゲームは利益(ときとして非常に大きな利益)を生み、そしてフリーのマーケティングツールとして利用することもできる。映画関連のソーシャルゲームというものも将来的に生まれてくるに違いない 』

■ ソフトバンク、Zyngaとソーシャルゲームの合弁会社「ジンガジャパン」設立へ
ソフトバンクソーシャルゲームに手を染める。
『 Zyngaは2007年に設立された大手ソーシャルゲーム企業で、月間のアクティブユニークユーザー数は2億3000万人。農場を開拓する「FrontierVille」や牧場の「FarmVille」などが人気で、Facebookアプリのユーザー数ランキングトップ10に常に6〜7つのZyngaアプリがランクインしているといい、「おそらくFacebookトラフィックの約4割近くを占めているのではないか」(ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏)という。Zyngaのゲームは基本利用は無料だが、農薬や種といったアイテム課金で収益をあげている。 』

■ Grouponが売出し案内のパーソナライゼーションを開始–またまた爆発的に業績を伸ばしそう
ソーシャルとパーソナライズ。
『 しかしこれからは、ユーザの性別や購入履歴、関心対象などに基づいて、それぞれ異なる企画を送る。 』

■ Amazon、Facebookと連携して「おすすめ」のソーシャル化を画策
この連携は、かなり強力かも。こちらも、ソーシャルとパーソナライズだ。
『 本機能をオンにすると、AmazonのおすすめページからAmazon Facebookの専用ページへのリンクが作成される。専用ページではたとえば友人のFacebookプロフィールで最も人気の本やDVDなどがここに表示されるようになる。また誰が自分と同じバンドないし本を気に入っているのかを確認することもできる。またFacebook上の友人の誕生日も表示され、その友人がAmazon上で作成したウィッシュリストも簡単に閲覧できるようになっている。またその人のFacebookプロフィールに基づいたプレゼントも提案してくれる。 』
こちらも同じ記事です。
Amazon.comがFacebookと連携、Facebookプロフィール使った商品お勧め機能

■ Appleの新特許は"自転車";!? - iPodとサイクリングで作るSNS
『 だが今回の特許のポイントはむしろ、通信機能を利用したソーシャルネットワーク的な部分にあると考えられる。コースデータやプロフィールは複数のユーザーで共有することが可能になっており、一種のチームを組むことができる。チーム内でデータを共有し、コースを考えたり、移動中の仲間の位置や疲労状況を把握することも可能だ。またSNS的な部分として、互いにメッセージ交換を行ったりと、iPhone/iPodをソーシャルデバイスとして利用できる。Nike+iPodが個人のトレーニングツールなのに対し、こちらは自転車を軸としたソーシャルツールなのだ。 』
iPhoneiPodをソーシャルデバイスに。ソーシャルデバイスとは、いい発想です。
詳細はこちら。Smart Bikeと呼んでいます。Apple Introduces us to the Smart Bike