iPadが予約開始。何台売れるかな?

ipadの予約が5月10日から開始された、と思う間もなく、5月12日には、直営店での予約が終了した。(注:Apple Storeでの予約は継続しているが、出荷時期は6月7日までと延期された。)
果たして、iPadは日本市場でどの程度販売されるのだろうか?この早々の直営店での予約終了(Appleが予想したよりも予約数が多かった。)から推測してみたい。

当然、推測の根拠とすべきは、米国での販売実績だ。米国では、初日の販売は予約を含め30万台を販売、その後1ヶ月余りで100万台に達した。新しいカテゴリーのデバイスとしては、順調なすべりだしであるし、販売台数もそこそこの台数だ。但し、この数値は、PCやSmartPhoneの普及台数と比較したら、まだまだそれほど大きい数値ではない。
iPadに真っ先に興味を抱くのは当然タッチインターフェイスに慣れた、iPhoneユーザであろう。米国のiPhoneユーザは、約900万人だ。参照記事の中から、下のグラフを引用させて頂いた。(注:米国のスマートフォンユーザ数は、約3600万人。)米国での予約を含めた、初日の販売台数は30万台なので、これが全てiPhoneユーザだとしたら、 iPhoneユーザの約3%がこの30万台の予約と当日販売に駆けつけたということだ。

では、日本のiPhoneユーザは何人いるのか?
全世界のユーザ数で日本の比率は3%である。(注:引用した記事では、iPhoneiPodを含んでいる。”比率”とうい意味で、この数値を使っても大きな誤差はないと考えています。)米国と比較すると、日本のiPhone&iPodユーザ数は、米国の6%程度である。ということは、米国のiPhoneユーザ数が約900万人なので、日本のiPhoneユーザ数は、60万人程度と推測される。(これは2009年12月の記事をベースにしているので、実際はもっと多いと予想される。残念ながら、SoftBankの決算発表時資料にも、iPhone加入者数の記載はなかった。100万人ともいわれているが、公式の資料がないので、控えめであるが、60万人と推定した。かなり控えめな数値である。)

メーカの立場からすると、やはり米国の販売実績をもとに、日本で販売するiPadの在庫準備数(生産準備数)を決定していると思われる。日本のiPhoneユーザの比率は、米国のiPhoneユーザ数の6%規模である。ということは、米国での、初日の30万台販売実績から、その6%程度である2万台弱を想定していた可能性が高い。では、なぜ直営店での予約を早々に打ち切らざるを得なかったのか?
ここで、非常に興味深いアンケート結果がある。ソフトバンク・ヒューマンキャピタル株式会社による最新Webサービスの利用に関する調査である。この記事の中での注目は、iPadの購入意欲調査である。抜粋したのが下のグラフだ。このグラフを単純にみると、”スマートフォン所有者のiPad購入意欲が高いんだ”で終わってしまうが、もっと重要な情報が読み取れるのだ。このグラフは、比率で表現されているが、iPadを購入したい人(=予約をする人と想定する)を絶対数で換算し直してみると、非常に興味深い結果が得られる。

まず全体では、アンケート実施者400人のうち5%がiPadを購入したいと回答している。つまり、20人がiPadを予約したいということだ。
次に、スマートフォン所有者(iPhone含む)56人のうち7.1%がiPadを購入したいと回答している。つまり、4人がiPadを予約したいということだ。
次に、スマートフォン未所有者344人ののうち4.7%がiPadを購入したいと回答している。つまり、16人がiPadを予約したいということだ。
もうお気づきでしょう。スマートフォン未所有であっても、iPadに対する購買意欲が高く、絶対数でいうと、スマートフォン所有者のなかでiPadを購入したいといっている人の、4倍の人がiPadを購入したい(=iPadを予約したい)といっているのだ!
ということは、アンケート調査対象者のうちスマートフォン所有者が、仮にすべてiPhone所有者として、また、上で述べたようにiPhone所有者は最低でも60万人であるから、
スマートフォン所有者(iPhone所有者)60万人のうち7.1%がiPadを購入したい。つまり4万人ちょっとが、iPadを購入したい。
さらに、スマートフォン未所有者でiPadを購入したいい人がこの4倍の16万人いることになる。
何と、合わせて20万人が予約をした可能性があるということだ。
在庫準備していた台数は、上に書いた予測(米国の初日販売台数と日米のiPhoneユーザ数比率から推測した値)からだと2万台程度だ。予約をするポテンシャルが20万台あるの対して、準備していた台数が2万台であれば、たった3日間で直営店の予約を打ち切らざるを得なかった理由がよく分かる。
さらに、どこまで販売台数がのびる可能性があるだろうか?”やや購入したい”人が、購入予備軍だ。”全体”でみると、”購入したい”人の5倍いるので、100万台が購入予備軍となる。”購入したい”と”やや購入したい”を合わせると120万台となる。
おいらの予想は、予約数は最低でも4万台、最大20万台ある。そして販売台数は、ゆるやかに100万台を越えて行く。