Googleよ何処へ。

Googleの経営目標は、「全世界の情報を整理し直す」ことである。目指すものは、人類の知を集積させ、全世界の人々がその知を活用する基盤を生み出すことである。

Googleのスタートとなった技術は、もちろん検索技術だ。
"検索"の根底にあるのは、人々は、欲しているモノを探し続けるということだ。この欲求に対し、検索技術は欲しているモノを、瞬時に示す事ができるのである。検索という行為が、人間の欲求の本質を捉えているわけだ。
他社に先行した検索技術により、Googleは揺るぎない基盤を築いてきた。

意外な事に、Google創業者のラリー・ペイジセルゲイ・ブリンの大学院時代の論文には、検索と広告が結び付く可能性も指摘されているが、同時に広告収入による危険性も唱えていた。広告収入により、検索結果に偏りが発生する事を恐れたからだ。("グーグル革命の衝撃"新潮社文庫版52、53を参照)

但し、今ではその否定していた広告で収益を上げている。
これは、会社立ち上げ初期に、どうしても会社の経営を安定させる必要があった事と、従来の押し付けがましい広告とは違い、検索結果とマッチした情報であれば、それは利用者にとって有益な情報となると判断したからだ。

検索技術と言うと、あまり人目を引かないが、これと関連したサービスを衝撃的なUIを取り込み表現したことにより、人々をGoogleブランドへと向かわせた。

GoogleMapsを初めて見た時の衝撃は、今でも鮮やかに目に浮かぶ。
それまでのMapのガイド画面は、Mapの表示を移動させる時に、表示されているMapの上下左右にある矢印をクリックして、矢印の方向にMapを移動させていた。その移動画面が更新されるまでの時間が、なんと長かったことか。それに比べ、GoogleMapsはカーソルの移動と連動し、表示がリアルに変わるのだ。表示の更新に待ち時間がないのである。マウスのホイールを回すことによって、スムーズにMapの表示が拡大縮小するのだ。次の場所を見たいという欲求に対し、ストレスなく次ぎ次ぎと表示が変わっていった。
さて、インターネット時代の申し子ともいえるGoogleは、どこに向かうのか?
Googleは、Androidに力を入れている。SDKを準備し、Developer向けの Forumも開催し、アプリ開発者の啓蒙も万全だ。iPhoneと比べて、アプリの少なさをとやかく取り上げられているが、これは問題ではない。AndroidGoogleへのPortalsiteになればそれで十分なのだ。
何故なら、Googleが提供するサービスで多くのことが事足りてしまう。検索、Mail、Document、Calender、etc. そして次々と提供される革新的なサービスがある。
最近発表された「Google Goggles」も凄そうだ。こちらは音声検索ではなく、画像認識と検索を連携させたアプリだ。


Androidが普及し、多くの人々がGoogleのサービスに集中すれば、そこから容易に広告収入を得られるし、新たなサービスも生まれるであろう。
AndroidGoogleへのPortalsiteとし、Googleが提供するサービスによって、人々が欲する行動をシームレスに完結させる事を目的としているのだ。
いつでもどこでもGoogleのサービスを利用して下さいというわけである。
全てのサービスの入口をGoogle化してしまおうというわけだ。