DoCoMoの逆襲

2010年10月25日〜2010年10月31日の携帯販売ランキングで、ついにiPhoneが首位から陥落した。
トップにおどりでたのはNTTドコモGALAXY Sである。さあ、ここからNTTドコモの逆襲が始まるのか?ケータイ銀河を制するのは誰なのか?
iPhoneついに首位陥落――「GALAXY S」はケータイ銀河を制するか?
そんな中、NTTドコモの新機種発表会が11月8日にあった。
11月8日の発表会は、結構盛りだくさんですね。
ドコモ、REGZA Phoneや3Dモデルなどスマートフォン4機種−超解像搭載のT-01C、裸眼3D/DLNA対応のSH-03Cほか
なんと3D対応版もある。タブレット端末は年内に1機種発表予定だ。
NTTドコモの攻勢が意外と凄い。Evernoteもプリインストールしちゃうのだ。
アンドロイド対応のEvernoteが2.0へのアップデートを発表。ドコモ最新機種へのプリインストールも。

新しい試みもある。(ただ、先行するAppleAndroidのパクリだけどね。)iモード向けのアプリ市場を育成しようとしている。将来的にはAbdroidへの展開も視野にいれている。
NTTドコモがアプリとコンテンツのマーケットプレイスを12月6日から開始。しかもiモード向けだ。
こちらの記事が、”ドコモマーケット”について詳しく書かれている。
6分でわかる『ドコモマーケット(iモード)』のポテンシャルと課題

親元のNTTの実力は、海外でも十分評価されている。そう、きちんとした技術をベースとした実力があるのだ。
その実力を示す展示会の記事はこちら。
コミュニケーション技術の未来―日本のテレコムの巨人、NTTデモ・ツアー報告(ビデオあり)

とはいえ、スマートフォンの普及にも真剣にとりくでいますね。この姿勢が素晴らしい。なんせ、スマートフォンのマイスターがいるのだ。
スマートフォン普及のカギを握る? スマートフォンマイスターに会ってきた
さて、盛りだくさんのNTT ドコモの新機種発表会ではあるが、はたしてケータイ銀河を制するのは誰なのか?
日本の携帯電話は、ガラケーとか自嘲気味にいわれているが、これは当然の成り行きなのだ。
以前のブログにも書いたが、日本の通信インフラは、先進国に比較しても4年先を走っていたわけである。
MorganStanlayのレポートからその図を再度引用する。


日本の携帯は、この先行した通信インフラ活用のために、他の先進国でもみられない進化を遂げてしまったのである。進化を遂げざるをえなかったのだ。世界の大多数が置かれている通信インフラの状況と日本の状況があまりにも乖離してしまったが故に、世界戦略を見誤ったわけである。
世界の大多数のユーザは、日本の携帯ではなく、もっとチープな携帯を欲していたのだ。とにもかくにも、ともあれモバイル・コミュニケーションの手段がまずは欲しかったのだ。
さてそれでは、Docomoは、いやいやDocomoだけではなく、日本のメーカは、ケータイ銀河を制することができるのか?
いまのままでは無理だ。それでは、どうすればいいのか。
2009年11月10日付けの”ドコモの端末プラットフォーム戦略”といった資料がある。その中にある”モバイル市場での垂直統合競争”のページを引用する。

これをみて一目瞭然なのは、世界のスマートフォン市場を制しようとしている企業にはなく、唯一docomoにあるのは、自社ネットワーク回線である。これが大きなアドバンテージなのだ。ただ、今までは、この”自社ネットワーク回線”があるがゆえの呪縛から逃れることができなかった。今までは、この”自社ネットワーク回線”をまもるが為の戦略したなかった。この呪縛から逃れることが”ケータイ銀河を制する”道である。
”自社ネットワーク回線”を軸にスマートフォンの未来を形作ることだ。ガラケースマートフォンにも適用すればいいのだ。とにかく、進化しすぎてしまったスマートフォンを提供すればいいのだ。
例えば、海外の人が日本を訪れると、そのスマートフォンや携帯の近未来がいかようにも体験できる国にしてしまえばいいのだ。
スマートフォンのジャパンモデルを作ること。そのサービス/ビジネスモデルを海外ユーザに持ち込み、日本の携帯文化を移植するビジネスモデルでビジネスを得ることを目指すべきだ。そのためには、”自社ネットワーク回線”を守るだけの呪縛から解き放たれる必要がある。
もっと”サービス”の領域に注力すべきである。極端な話、”ガラケー・サービスプロバイダー”として世界に打って出てもいいのではないか。
まあ、言うのは簡単であるが、じゃあどんなサービスを具体的に提供すればいいのか?
意外とその答えは、docomoのHPに書かれたりしている。
このページの”ドコモのチャレンジ”と題した次にしっかりと書かれてある。ちょっと抜粋してみる。
”ケータイのサービスやネットワークは持続的に進化し、コミュニケーション、情報アクセス、生活支援の手段に加え、今後はお客様の行動を支援する役割も担ってまいります。ドコモは、これらすべての役割における、更なる進化にチャレンジし続けます。”
この文章のなかにきちんと書かれてある。
”お客様の行動を支援する役割”ときちんと書かれてある。
インターネットの世界が、どの方向に向かうかを考えた場合、今は、情報アクセスの自由度が上がった(発信もしかり必要な情報を得ることもしかり)ことが、利便性に繋がっているが、今後はよりパーソナルなアシストへと向かうであろう。
いろいろな発展形はあるが、この”お客様の行動を支援する役割”がコアとなっていくはずである。このパーソナル・アシスタントの究極を目指せばいいのである。
docomoも日本の携帯メーカも頑張ってほしい、ただそれだけだ。